パッチワークキルトの世界にもトレンドがあり、それは時代や社会などの変化や傾向にも多いに関わっています。アメリカの昔をちょっと覗いてみると……

キルトの始まり~黄金時代

19世紀産業革命の後、それまで高価で貴重だったプリントが安く手に入るようになり、一般庶民の家庭でも服、カーテンやキルトなどのソーイングが盛んになっていきました。

当時のキルトはドレスに流行した細かい模様のキャリコがたくさん使われ、その柄が生きるようなパターンのデザインがたくさん生まれアメリカンキルトは黄金期となります。

現代のキルトの形はここで作られました。

20世紀以降のキルト

20世紀に入り大恐慌の時代になると倹約精神から主婦たちは小麦や穀物の布袋(フィードサック)を再利用してエプロンや下着を作るようになりました。

製造業者が売れ行きを伸ばす目的で可愛い柄やカラフルな色で布袋を作るとそれが大人気を集めキルトに多いに生かされます。

厳しい時代にパッと明るいキルトは家族をなごませたことでしょう。花の咲いたような雰囲気の当時のキルトは30年代40年代のキルトの特徴となっています。

歴史のお話は限りなく続くため、また機会があればお話していくとして、「では今は?」という話題に移りましょう。

近年のキルト

一昨年ごろから、アメリカのキルトの世界では大きな新しい流れが誕生していました。それは30代、40代のキルト愛好家(キルター)が中心の新しいコミュニティーが出来たのです。

それまでの世代つまり60代中心のキルターは近所の仲間とキルト作りを楽しみ、さらには地域ごとにグループや大きな組織「ギルド」を作り、会合を開いたりキルト展をしたりと活動を広げてきました。

その次の世代では仕事を持っていたり、あるいはグループに入る事を面倒に感じて一人で楽しむ人々も多く、彼女たちはブログで作品を見せ合いネット上で次第につながるようになりました。

世代の好みを反映したキルトや小物などがネット上に発表されるようになるといつのまにか彼女たちは、上の世代のキルターがしてきたようにグループを作り、何とギルドまで結成したのです。

そしてそんな彼女たちの好みであり、今のキルトのトレンドが「モダンキルト」。

モダンキルト

「モダンキルト大特集「パッチワーク通信 174号」 パッチワーク通信社



モダンキルトとは文字通り、モダン感覚のデザインと色のキルトのこと。一般的に皆さんの持っているキルトのイメージは、アメリカの開拓時代に作られた素朴なものかと思います。

しかしモダンキルトはそんなイメージを払拭し、現代のモダンなインテリアに似合うおしゃれなもの。ファッション感覚で作り上げていくようなイメージに近いかもしれません。

そしてアートとして壁に飾るためではなく、暮らしの中でじゃんじゃん使うキルトなんです。

言葉で伝えるよりは具体的に作品を少しだけご紹介しましょう。

モダンキルト

作品提供:関代志美 (指導:小関鈴子)


モダンキルト

作品提供:小関鈴子


モダンキルト

作品提供:First of Infinity(藤田久美子x中島一恵)


これらの作品はすべて「パッチワーク通信174号」に掲載しています。モダンキルトの大特集です。その本が発売されたら日本の「モダンキルト」の時代の幕が上がります。

【関連情報】
パッチワーク通信174号 モダンキルト大特集 (2013年 06月号)




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