新規募集停止は突然の出来事だった
連続してJPモルガン・アセット・マネジメントの日本株ファンドを取り上げているた め、前回のコラムで同社のファンドを取り上げるのは控えようと考えていたのです注目の投信が新規募集停止
前回、私が書いた投資信託のコラム「新規購入が再び停止されるJPMザ・ジャパン」では、JPモルガン・アセット・マネジメントが運用する日本株ファンド「JPMザ・ジャパン」が再び新規募集停止となったことをご説明しました。再度、信託金が引き上げられ新規募集が再開されたとしても、信託金の枠が大きくなりすぎて機動性(小回りが効かない)がなくなり、これまでのような運用成績は期待できないかもしれないと述べました。
そして、JPMザ・ジャパンと運用スタイルが非常に似通り、かつ機動性が期待できる同社の日本株ファンドとして「JFジャパン・ディスカバリー・ファンド」に期待したい旨を代替案として述べたのです。ところが、そのJFジャパン・ディスカバリー・ファンドも新規募集を停止してしまったのです。
JFザ・ジャパンの場合は、新規募集が停止される数日前から告知が行われていましたが、JFジャパン・ディスカバリー・ファンドは、新規募集停止と告知がほぼ同時期だったために読者の皆さんにご迷惑をおかけしてしまったのではないかと危惧しております。あるいは、筆者の情報入手が遅かったためにご迷惑をおかけしたのなら重ねてお詫びしたいと思います。
新規募集が再開しても投資は慎重に
突然、新規募集が停止となった背景はさまざまかと思われますが、JFジャパン・ディスカバリー・ファンドの信託金の上限が300億円と小さかったことがあげられるかと思います。JPMザ・ジャパンのように当初1000億円、その後2000億円に引き上げというように信託金の規模が大きければ、あらかじめ告知もできたのでしょうが、信託金が少なかったため時間的な余裕がなかったことが考えられます。筆者のコラムで何度も述べたのですが、運用スタイルが中小型株を積極的に組み入れて運用すること。時価総額が500億円未満の株にも積極的に投資することがあると目論見書に記載されているように、中小型株への積極的な投資が高い運用成績の鍵を握っているのです。信託金の規模が大きくなりすぎると、中小型株への積極的な投資が難しくなり、結果としてこれまでのような運用成績を確保して行きにくくなるわけです。
好成績をあげるもう1つの鍵である選択と集中という投資スタイル、正確には集中も難しくなると考えられるのです。信託金の規模が大きくなると、動かす資金も多くなってしまうため、中小型株ではファンド自身の売買か株価を動かしてしまいかねないのです。つまり、希望する価格で売買ができない、ひいては運用成績の向上が難しくなるわけです。
仮に新規募集が再開されたとしても、購入には今までよりもより慎重になるべきでしょう。