まずは我が家のブロック塀の安全点検、自分でできるチェックリスト
リフォーム前の劣化したブロック塀。補強もしくは解体して新しい塀を作るか、早めのリフォームが必要。
しかし実情は、倒壊しやすい危険なブロック塀が多数存在します。年数が経って劣化が進み強度が大きく低下しているものを始め、中には最初から安全基準を満たしていない作りになっているものも見受けられます。
まずは我が家のブロック塀を、自分で簡易点検してみましょう。点検のポイントは、傾きやひび割れの有無、高さ、築年数、基礎や控え壁の有無、形状などです。全国建築コンクリートブロック工業会のwebサイトの中に、ブロック塀の安全点検表がありますので、チェックしてみましょう。
ただしこれらは、あくまでも簡易的な診断です。一箇所でもチェックが入ったら、専門業者に点検を依頼しましょう。詳細な調査を行った後、危険と判断された場合は、控え壁や基礎の増強などで補強工事を行うか、解体して新しい安全な塀に作り替えることをお勧めします。耐震性の低いブロック塀は危険ですので、早めに対策リフォームをしておきましょう。
ブロック塀の劣化は年々進む、改修リフォーム費用に補助金が出る自治体も
ブロック塀の劣化は年々進みますので、年を追うごとに危険度は増していきます。地震時に老築化したブロック塀が倒壊してしまうと、命の危険があるだけでなく、避難経路をふさぐことで救助活動を妨げてしまうため、ブロック塀に規制を設けている地域もあります。ブロック塀から生垣にリフォームすると補助金が出る市町村も。まずは住んでいる自治体へ問い合わせを。
倒壊の危険があるブロック塀のリフォーム費用に、補助金制度を設けている市町村もあります。例えば東京都武蔵野市では、市が危険なブロック塀と判定した塀の改修リフォームを行う場合、48万円を限度に補助金が出ます。また千葉県佐倉市では、危険なブロック塀を除去するだけでも補助金の対象になりますので、忘れずに申請しておきましょう。
ただしどちらも、道路に面しているブロック塀であることなど、一定の条件があることと、工事着手前の申請が必要ですので注意して下さい。
安全性が高いヒノキの間伐材を使った木製フェンスにリフォーム
ブロック塀に代わる、安全性の高い塀にウッドフェンスがあります。下の写真は、万年塀方式と呼ばれる、支柱の間に平板を落とし込んだ構造の木製フェンスです。ブロック塀から木製フェンスへリフォーム。間伐材を使用するエコなフェンス(スーパーフェンス ウッドフェイス/港製器工業株式会社)
面材はヒノキの間伐材を使用、柱と笠木はアルミ製です。木製なら安全性が高いのはもちろん、間伐材を使用しているので、とてもエコ。
支柱の間に落とし込んだ板は、簡単に入れ替えができるので、傷んだら自分で入れ替えながらメンテナンスをしていくことができます。また風通しをよくしたいならスキマを大きく開けるなど、面材の間隔調整も簡単にできます。
建築・建材展でのデモンストレーション。板の入れ替えが本当に簡単できた。これなら今後自分でメンテナンスが可能。
この木製フェンスのリフォーム方法は、既存ブロック塀の解体撤去後、新しい基礎を作り、その上にアルミのフェンス材を立て、風の強い地域では控え柱の設置を行います。高さは3mまで対応、工事が比較的簡単で、狭い敷地でも設置できるのが特徴です。
風通しよくしたいならスキマを大きく開けるなど、面材の間隔調整も簡単にできる。
町の安全を守るためにも、通りに面したブロック塀の安全性は確保しておく必要があります。まずは自分で点検、危険を感じたらすぐに専門家に見てもらい、早めに対策リフォームをしておきましょう。
オールアバウトが行った防災に関する意識調査では、地震への高い危機意識を持っているにもかかわらず、実際の対策は不十分という結果が出ています。下記にリフォームでできる住まいの災害対策をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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