不定期にしか公開されない約1kmの秘密の通路
1434年から1737年までフィレンツェを実質的に支配したメディチ家。最盛期にはヨーロッパでも指折りの大富豪として名を馳せ、一時期は一族から教皇をも輩出するほどの栄華を誇りました。その当主で初代トスカーナ大公となったコジモ1世は現在フィレンツェに見られる景観を整備した功績で知られ、ウフィツィ美術館やヴァザーリの回廊も彼の都市計画事業の一環として建設されたもの。
当時、ウフィツィ美術館は各行政機関が入居する、言わば合同庁舎。ヴァザーリの回廊は、コジモ1世がアルノ川を挟んで対岸にある自宅のピッティ宮殿から通勤する際に使っていた、ウフィツィ美術館とピッティ宮殿を繋ぐ約1kmの秘密の通路です。
名前の由来はコジモ1世のお抱え画家ヴァザーリが設計したことから。ちなみにウフィツィ美術館を設計したのも彼です。画家であり、彫刻家であり、建築家でもあり、ルネサンス期の芸術家は多彩な人が多いですね。
回廊内には数々の芸術家のパトロンだったコジモ1世らしく、700点に上る絵画が展示されており、特に肖像画のコレクションは圧巻。一見の価値があります。
しかしながら、ヴァザーリの回廊は不定期で公開される以外は固く閉ざされている幻の名所。見学するには公開に合わせてイタリアに行くか、ツアー参加が必須です。
撮影者より許諾をいただいた写真を投稿しています。
撮影者:lloydalter(1枚目)、The Consortium(2枚目)、kevinpoh(3枚目)
■ウフィツィ美術館+ヴァザーリの回廊ツアー
催行会社:CAFツアー&トラベル
価格:大人€79、子供(8~18歳)€ 64
所要時間: 4時間
言語:英語
開催曜日:日・火・水・木・金・土
HP:http://www.alan1.net/
※データは記事公開時点のものです。