標高差により、下千本から順に桜が咲く吉野山
吉野の桜と標高のおおよその関係
標高200メートル前後の近鉄吉野駅から、標高700メートル前後の奥千本・金峯神社まで500メートルもの標高差がありますので、吉野山は下千本から奥千本へ向けて桜前線が駆け上がるように花開いていきます。
その年の気候により、開花時期は大きく変動します。吉野町のWebサイトで過去の開花情報もまとめられていますが、例年だと下千本:4月上旬、中千本:4月上旬(下千本より1~3日遅れ)、上千本:4月上旬~中旬、奥千本:4月中旬が見頃となります。一度で4つのエリアすべての桜を楽しむのは難しいので、再訪が必要です。
山を登る交通機関も大いに活用しましょう
吉野の桜を楽しむ時、避けられないのが坂道の上り下り。今回ご紹介した順番通りに下千本から奥千本へ向けて移動すると、ずっと坂を上り続けることになりますので、それなりに体力が必要です。近鉄吉野駅と中千本公園を結ぶ奈良交通バスの臨時便
車窓からも桜が咲く風景を楽しんだ後、中千本や上千本の桜を見てから吉水神社、蔵王堂へ坂を下りていく形になります。
竹林院前と奥千本口を結ぶ吉野大峯ケーブル自動車のマイクロバス。1回に27人しか乗れないので、利用はお早めに
奈良交通バスの臨時バスと組み合わせて、まず奥千本までバスで移動した後、金峯山寺や西行庵に立ち寄ってから、坂道を下るという方法も取ることが可能です。
難点はどちらのバスも多くの観光客が利用するため、時間が遅くなると乗り切れなくなり、乗車まで1時間から2時間以上待たされることがあること。早めの時間に利用するのがベターです。
吉野ならではのグルメも忘れずに
吉野の桜を楽しむには、見たい所を絞り込んでも半日程度の時間は見込んでおいた方が良いでしょう。奥千本も含めたら朝から夕方まで1日をあてるくらいの余裕が欲しい所です。それだけの時間が必要なら、吉野ならではのグルメも楽しみたいですね。下千本から中千本までの間を中心に多くのお店があり、奈良の代表的な郷土料理である柿の葉寿司や、吉野名産の葛(くず)を入れた葛うどんやくずきり、くずもちを食べることができます。
多くの観光客が訪れていますので、混雑で待たされるのはやむを得ない所ですが、お店によっては店内から窓越しに桜を望める所もありますので、早めに昼ご飯を食べるなどの対応をあらかじめ考えておくと良いですね。
麓から山へ美しい桜の風景が移り変わる吉野山の桜をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
エリア毎に開花時期が異なるので、いつ訪れてもどこかで桜が咲いている風景を楽しむことができます。アプローチ方法は次ページにまとめておきますので、ぜひゆっくり時間をとって吉野の桜を実際に楽しんでみて下さい。