【奥千本】喧噪とは無縁の世界、静かに桜を楽しむ
吉野の桜と名所を訪ね歩く「吉野さくら散歩」、最後は奥千本です。上千本から奥千本までの間は、まわりに自然以外のものがないハイキングコースを歩きます。桜の木の数も少ないため、時間の都合で上千本まで来て折り返す方も多いようで、ここまで来ると人出も少なくなりますね。
奥千本へ上る道の途中で訪れたいのは、高城山展望休憩所(Yahoo! 地図情報)。高台にあり、葛城山や遠く二上山(にじょうざん)まで望むことができます。休憩所の周囲には桜の木もあり、花が咲いていれば桜越しの展望を楽しめますよ。
義経ゆかりの史跡が残る金峯神社
高城山展望休憩所からハイキングコースを歩いていくと、奥千本口バス停の先で道が分かれます。右は西行法師が吉野に来て居を構えていた西行庵、鳥居のある真ん中の坂道が金峯神社(きんぷじんじゃ)へ向かう道です。どちらも急な上り坂が待ち構えているのが一目でわかりますが、そもそもここまでの道は、大峰山で修験道を極めようとする人たちが、修行の道として歩いたとされる大峯奥駆道(おおみねおくがけみち)の一部。ゆっくりと足を地につけて坂を上りましょう。
坂を登り切った所にある金峯神社(Yahoo! 地図情報)は、吉野山の総地主として金山彦命(かなやまひこのみこと)を祀る神社です。ここも世界遺産に登録されています。
吉野で一番遅く桜の木が花開く時、境内はにぎやかになりますが、下千本、中千本、上千本と比べると人出は少なく、ゆったりとした気持ちで桜のある風景が楽しめます。
そして、金峯神社の本堂の左下には義経隠れ塔があります。この塔は大峰山の修行場の一つで、ここに隠れていた源義経が追っ手から逃げるために屋根を蹴破ったといういわれがあったとのこと。
義経隠れ塔近くの展望スペースからは、お天気が良ければ、遥か遠くになってしまった蔵王堂や、葛城山なども見えますので、足を伸ばしてみるのも良いでしょう。
さて、下千本から奥千本まで吉野の名所と桜をご紹介しましたが、一番気になる桜の見頃はいつ頃なのでしょうか。各エリアの標高の関係を紐解いた上で、次ページにて説明しましょう。