東京・神奈川・千葉・埼玉に住む/23区南[目黒・世田谷・大田・品川]

「二子玉川ライズ」が世田谷区の相場に影響

23区城南エリアも、都心同様に全体に市場は軟調で、供給は減少、価格は低下傾向にあります。しかし、区による違いもあるようです。東京カンテイの調査をもとに、城南エリアの相場動向をみてみましょう。

執筆者:山下 和之

23区城南エリアも、都心同様に全体に市場は軟調で、供給は減少、価格は低下傾向にあります。しかし、区による違いもあるようです。東京カンテイの調査をもとに、城南エリアの相場動向をみてみましょう。

大田区では平均坪単価が2割近く低下

各区で今年1月から3月までに販売された中で価格が明確になっている物件の平均坪単価を2008年と比較すると、目黒区は3.9%の上昇で、品川区は0.8%、世田谷区は1.0%の低下で、ほぼ横ばいといっていい水準でした。この3区の相場は比較的安定しているようにみえますが、実のところはそうともいえないようです。それぞれに特殊な要因があり、その特別な理由を除けば、全体的に供給が減少し、価格設定も弱気になっている面は共通しているのです。

それに対して、大田区は17.5%の低下となっています。この大田区の場合、平均専有面積も2008年の52 m2台が、2009年は57 m2台と極端な変化があるわけではありません。ほぼ同じような物件が供給され、その中で2割近く低下しているのですから、マンション市場全体の価格低下傾向を反映した動きとみることができるでしょう。

目黒区では専有面積が65 m2台から26 m2台に

目黒区の平均坪単価は3.9%上昇していますが、この要因について、東京カンテイ市場調査部 上席主任研究員・中山登志朗氏がこう解説してくれました。

「確かに上昇しているようにみえますが、実は平均専有面積をみると2008年の65m2台から26 m2台に、半分以下に縮小しています。ワンルームなど、坪単価が高くなる傾向の強い物件が中心になっているのです。3LDKなど、ファミリー向けの物件に限ってみれば、低下傾向にあるとみられます」

目黒区の2009年1~3月の平均坪単価は409.2万円ですが、これは都心エリアの港区や渋谷区よりも高い数値。そんな高い単価ではとてもファミリー向けの物件は売れないでしょう。

■23区城南 相場情報(品川区・大田区・目黒区・世田谷区)
(単位:坪単価=万円、平均専有面積=m2
行政区名 項目 2006年 2007年 2008年 2009年
(1~3月)
品川区 分譲戸数 1,859 959 1,117 215
平均専有面積 56.96 62.17 58.33 40.55
平均価格 4,593 6,417 6,080 3,967
平均坪単価 285.6 337.0 339.9 337.2
大田区 分譲戸数 1,381 993 1,001 205
平均専有面積 51.10 46.41 52.05 57.95
平均価格 3,898 3,810 4,355 3,985
平均坪単価 271.4 287.9 290.3 239.6
目黒区 分譲戸数 222 251 317 58
平均専有面積 59.34 52.17 65.26 26.31
平均価格 5,826 5,985 7,958 3,280
平均坪単価 332.9 369.5 393.9 409.2
世田谷区 分譲戸数 2,150 1,305 1,337 602
平均専有面積 66.32 75.37 73.87 80.05
平均価格 6,251 7,806 7,522 8,122
平均坪単価 309.3 334.4 328.3 325.2
(データ提供/東京カンテイ

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