「10年後の東京」実行プランに子育て支援681億
東京都は都の政策展開の方向性を示す目的で定められた長期計画「10年後の東京」を推進するため、2010年度から3年間の具体策をまとめた実行プランを発表しました。2010年1月15日に発表された「実行プログラム2010」によると、少子化対策などを柱に総額1兆9,000円億円を投入し、そのうち6,000億円を2010年度予算原案に計上するとのこと。実行プラグラムの364事業の中には92の新規事業が含まれており、都が重要課題に掲げる少子化対策として新たな子育て支援事業も盛り込まれています。
都は学童クラブを充実させるため、閉所時間延長や有資格者の配置を基本とした都独自の都型学童クラブ(仮称)を創設し、受け入れ枠の拡大を図る予定です。さらに、19時以降に延長できる学童クラブを増やすための補助制度も作るなどし、3ヵ年で登録児童を1万1,000人増やすことを目標としています。また、働き方が多様化している状況をふまえ、認証保育所や家庭福祉員を活用し、パートタイム労働者にも利用しやすい保育サービスの拡充を図る方針です。
これらの子育て支援に係わる3ヵ年の事業費は681億円で、2010年度事業費は246億円を充てます。都は、3年間で保育所入所児童を2万2,000人増加させる目標を掲げ、待機児童解消に向けて積極的に取り組んでいくようです。
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東京都公式HP
都教育委員会が条件付きで土曜授業の実施認める
東京都の話題に関連し、都の教育委員会が示した土曜授業に関する気になる動きを紹介します。子どもたちの家庭や地域社会で過ごす時間を増やし、「生きる力」をはぐくむ目的で、2002年度から実施されている完全学校週5日制。一方で、子どもたちの学力低下を懸念する声や、十分な授業時数を確保するのが難しいとの理由から、都内の多くの学校で夏休みなどを短縮して補習授業が行われている実態があります。
これらの実態を踏まえ、東京都の教育委員会は、公立の小中学校に対し、「土曜日における授業の実施に係わる留意点について」という通知を2010年1月14日付で出しました。
土曜授業の実施回数は月2回を上限とし、地域や保護者の理解のもと公開授業を原則とするなど、一定の条件付きではあるものの、土曜授業を容認する形となりました。これらの背景には、「新学習指導要領」が小学校で2011年度から、中学校では2012年度から全面実施されることが大きな要因として考えられます。
今回、東京都教育委員会の示した方針は、城南エリアの公立の小中学校にも影響を与える可能性があり、注目したいところです。
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東京都教育委員会HP
品川区は既存施設を活用した
緊急待機児童対策を発表
再開発が進み、他区からの転入家族が増加する品川区。既存施設をフル活用し、待機児童対策に乗り出す |
同区の濱野区長は、「区長からのメッセージ」(第42号 2009年12月21日付)で待機児童問題はスピーディな対応が重要とし、既存の施設や施策を活用した以下のような緊急待機児童対策を実施すると発表しました。
(1)保育園の活用
保育士67人を採用し、区立保育園19園で206人の定員拡大を実施。保育園を幼保一体化施設として整備し、2010年度は1園で約60人の待機児童の解消を図る。
(2)幼稚園の活用
2010年度は、公・私立幼稚園での預かり保育を強化し、50人程度の待機児童の解消を図る。
(3)小学校の活用
保育園年長児を隣接の小学校の余裕教室で保育し、空いた保育室を利用して定員増を図る。
(4)認証保育所の開設
2ヵ所開設し、71人の待機児童の解消。
(5)認証保育所通園家庭への支援
認証保育所を利用する場合にも所得に応じ1~4万円の助成を行っているが、2010年度は最高で6万円超にアップする。
品川区で小学校の空き教室を利用した保育がスタート
品川区の緊急待機児童対策のひとつ、小学校の空き教室を活用した保育の取り組みが2010年4月から区立三木小学校と区立中延小学校で始まります。三木小学校には隣接の西品川保育園に通う年長児を、中延小学校には隣接の中延保育園に通う年長児をそれぞれ移して保育を行います。それにより空いた保育園の保育室を1~4歳児が利用することで、両園で50人の定員増が可能になります。
区としては、保育園の定員増のほかに、新1年生が学校生活にスムーズに馴染めるように進めている「保幼小連携」の新しい形としての期待も寄せています。
小学校に移った年長児は小学生と同じ給食を食べ、体育館や運動場を使用し、生徒や教師との交流を通じて一足先に学校生活を体験できるメリットも生まれます。
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品川区役所HP