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スローフードの原点…お茶点前を愉しむ マンションに茶室をあつらえた男

スローフードの原点は、日本にあったのです!お茶点前を楽しむ茶室こそ究極のスローフードな空間と言えるでしょう!

執筆者:黒田 秀雄

高田裕一氏
「壮士会」という男点前の茶会で、初めて高田氏にお会いした
7年前、流派を選ばない茶人のコミュニティ「真ML茶の湯Community」を立ち上げた高田裕一氏。若さ、茶髪、派手やかな衣装…高田氏と初めてお会いした時のインパクトは、非常に強烈なものでした。しかも本職は畳職人だというからその「意外性」「ギャップ」には大きな驚きがありました。

実を言うと、この「驚き」は高田氏本人のことだけでなく、高田氏の住まいにもあったのです!


マンションの入り口の先には「侘び・寂び」の世界が…!


下町のとあるマンションの1階に高田氏の住まいがある。さっそくアルミサッシの引き戸を開けると、其処に忽然と現われるのが白御影の跨ぎ石(またぎいし)を配した異次元空間が目に飛び込んできた!!



白玉石の土間の左右に、心づくしの「室礼(しつらい)」が…。そして茶室にあがると、稲穂と竹を組み合わせた(※)袖垣風の室礼。 これらは、すべて高田氏と奥様のお手になる作品なのだ!





※袖垣:目隠しが目的で、庭や建物の隅、玄関まわり等に実用と装飾を兼ねて取り付ける小さな垣

床の間には「話盡山雲海月情」の掛け軸がかけられ、そして椿の茶花が活けられた花器は、紀伊田辺のもの。茶室の至るところに高田氏の職人ならではの細やかな「技」が見受けられる。



高田氏の見事な男点前を堪能させていただく。炉縁は木肌を生かした黒漆。炉壇の土塗りも高田氏本人の手になるもの。「すみよし」と銘のある茶釜には、大阪住吉大社の絵が彫られている。寒い冬には、炭火の火がなんとも嬉しい静寂をつくり出しそうだ。



高田氏と奥様
半東(はんとう)をつとめてくださった若奥様とのツーショット。結婚5年目のお二人も、この会を通じて知り合ったのだそう…
高田氏のお点前中ふと気づくと、彼の握りこぶしについた堅そうなコブが…空手が趣味?かと思ったら、本職は畳職人とのこと。畳造りを極めるために習い始めたのがお茶の世界だそうで、この異次元の空間も基本的にはすべて彼の手づくりというから驚きである。

日本の伝統文化である茶道には、表千家、裏千家、武者小路千家、弍條御家流、不白流、石州流野村派、日本茶道塾など数えきれないほど多くの流派があります。そこには茶室のしつらえから、お茶の道具、お茶のたてかたにまで色々微細な違いがあります。しかしこのような違いを乗り越えて、全く違った流派の方達が交流できる「真ML茶の湯Community」という集まりは、インターネットでしかできない新しい試みとも言えるでしょう。


茶さじ
高田氏手づくりになる茶さじのいろいろを拝見。
その根底には、「お茶を楽しむ」という共通のテーマがあります。丁度、年末から新年にかけては色々な茶事が行われる季節でもあります。この記事を機会に、あなたもお茶を始めてみませんか?

※この記事は、2003年12月24日に掲載されたものをアレンジしたものです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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