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本音の「和」を、アルフレックスが提案

アルフレックスの今年の新提案は「和」。イタリアモダン家具のリーダー的存在だった同社が、なぜ今「和」を取り上げたのでしょうか。そこには日本の暮らしの「本音」が込められているように思えます。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

アルフレックスの「和」が提案するもの

ソファ
アルフレックス ジャパンの新作「AUN」のソファ「ASF01」。かすり調の柄をモチーフにした生地を使っている。

1月下旬に開かれた、アルフレックス ジャパンの新作家具展に行きました。今年の新提案は「和」。新シリーズの「AUN(あうん)」が提案する和のテイストは、これまでと違うリビングのプランニングを予感させました。

アルフレックス ジャパンといえば、38年前の創業以来、イタリアの暮らしを発信しつづけたモダン家具の草分け的な存在です。それがいま「和」に注目したことにまず興味を持ちました。

「AUN」が表現したものは「日本人の美意識」だそうです。まずソファは、巨大な座布団のようなスタイル。座面が33センチと低く、奥行きが深いのが特徴です。座面も堅めになっています。今までの座るためのソファではなく、寝ころんだり、あぐらをかいたり、「畳」の上と同じ暮らしが出来そうです。

イタリアのテイストを残した部分は、大きなオットマン(脚のせ)です。このフラットな脚のせは、センターテーブルの代りとしても利用できます。この上にシンプルな木製トレイを載せて使えば、センターテーブルが不要になります。

和食器に合わせたダイニングテーブル

チェア
シンプルなベンチスタイルを提案。下のダイニングテーブル「ADT01」にぴったり収まり、椅子が隠れる仕組み

テーブル
ダイニングテーブル「ADT01」。角材を組み合わせた脚が印象的
ダイニングテーブルで印象に残ったのは、ベンチスタイルの登場です。ベンチというとカントリー調が多く、シンプルな物はあまりなかったのですが、今回の新作ならば、ダイニングだけでなく、リビングのプチソファとしても重宝しそうです。

まるで神社?と思わせるダイニングテーブルは、トネリコ・米谷ひろしさんのデザイン。セットの椅子とベンチは、テーブルにぴったりと収まります。テーブルの高さは68センチと低く、お椀などの和食器を使うのに適した高さです(通常は72センチ程)。

白と黒で、和の上質感を表現

コンソール
黒いマット調が美しい。コンソールテーブル「ALC01」
天板は美しい「うづくり」仕上げ。うづくりとは、固い植物繊維のブラシで木の表面を擦り、年輪の模様を浮きだした仕上げです。自然な凹凸感が心地よい感触を生みだします。色は白と黒の2種類ですが、白は白木を思わせる透明感があります。一方黒は、濃い紫色の染色を2回行った、深くマットな黒です。

特に黒が気に入りました。紫をベースにしているので、日が当ると玉虫色の光沢がでてきます。薄暗い所では、マットな黒に変ります。元来黒は、背景として日本女性の白い肌を美しく引き立てる色といわれています。


これからの「和」はリビングをどう変えるのか。次のページで解説します。
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