ファミリーカー/ミニバンの選び方

価格と燃費だけじゃないファミリーカー選びのポイント

ファミリーカーを家族構成で選ぶとしたら、どんなタイプのクルマがおすすめなのか、選び方のポイントをわかりやすく紹介します。5年先の家族構成やライフスタイルの変化も見据えて、パパ、ママ、子ども、おじいちゃん、おばあちゃんも、一緒に考えてみましょう。

執筆者:緒方 昌子

ファミリーカー選びは“今だけ”で考えると後悔しがち

クルマを選ぶ時、何を基準に選んでいますか? 多くの方は、「見た目と価格と燃費」を規準にしているのではないでしょうか。でも、それだけでは購入後に「失敗したなぁ」と後悔してしまう方も少なくないと思います。とくに、子どもが生まれる、あるいは生まれたファミリーが、新たにクルマを選ぶ時には、「現在と将来の家族構成と子ども連れでの使い勝手の良さ」も、しっかり考えて選ぶことが大切です。

クルマの買い替え期間は、内閣府消費動向調査(平成25年3月)によると、平均7.9年。それを見据えた上で、ライフサイクルに変化をもたらす“5年後”も使えると考えてみましょう。たとえば、現在子どもが1人の3人家族であっても、5年の間に子どもが増えるとか、将来両親と同居する可能性があるなども視野に入れておくといいでしょう。

3人家族なら軽自動車でも

では家族構成で選ぶおすすめのファミリーカーとは、どういうものでしょうか。例えば子どもと夫婦の3人家族、または子ども2人と夫婦の4人家族で、滅多に家族以外の両親を乗せることがない場合でしたら、4人乗りの軽自動車でも十分。

最近、軽自動車の中でも人気があるのは、室内が広々している天井の高いハイトワゴンタイプです。室内の高さに余裕があるので、ベビーカーごと車内に乗り込むこともでき、小さい赤ちゃんや幼児の乗せ降ろしもラクにできます。室内の細かい装備は車種によって異なりますが、ディーラーで試乗したり、触れてみたりたりして、使いやすいと感じたものが一番です。

最近の軽自動車のハイトワゴンで人気があるのは、タント(ダイハツ)、N BOX(ホンダ)、スペーシア(スズキ)など、後席がスライドドアのタイプが注目されています。

後席がスライドドアのハイトワゴンに人気が集中するのは、室内空間の広さだけでなく、目の離せない活発な小さい子どもがいるファミリーにとって、駐車場などで隣の車にキズをつけない後席がスライドドアのタイプが安心だからです。実際に子どもが乗り降りしているシーンをイメージしてみましょう。活発な子どもたちは、勢いよくドアを開けがちです。そのため、スライドドアであれば隣の車を傷つけることがないという安心感があります。

スペーシア

スズキが女性の願いを実現させたというスペーシア。チャイルドシートを装着したセカンドシートの使い勝手の良さが計算されている。

 

たまに祖父母も一緒ならコンパクトカーも

また、3人家族でも祖父母とよく出かけるというのでしたら、5人乗りの乗用車を視野に入れるといいでしょう。なかでも小回りがきいて女性でも運転がしやすく、走行性能や燃費、使い勝手、装備の充実度のバランスが良いコンパクトカー・クラスが注目されています。例えばポルテ(トヨタ)はファミリーカーとしての印象が強いと思いますが、そのほかにもフィット(ホンダ)、ノート(日産)なども、価格、走行性能、燃費、使い勝手などがバランスしています。

ノート

コンパクトカークラスでは、コストパフォーマンスの高いノート。子ども連れでも使い勝手が良く、パパでもママでも扱いやすい。


両親同居ならミニバンも

4人家族もしくは5人家族で、両親と同居している、あるいはよく一緒に出かけるというのであれば、6~8人乗りのミニバンが候補に挙がります。子供が小さいうちは、チャイルドシート装着が必須なので、子どもの人数分のチャイルドシートを装着した上で、両親も乗せることを考えると、3列シートのミニバンがぴったりです。若いファミリーに人気が高いセレナ(日産)、ステップワゴン(ホンダ)、ノア、ヴォクシー(トヨタ)などは、子どもと年配の両親の乗せ降ろしがしやすいさまざまな工夫がされています。

もし、アウトドア好きであれば、両親を乗せる機会が少ない家族でもミニバンを検討してみる価値ありです。また、両親と同居はしていていなくても、年に数回、両親を乗せる機会があるというのであれば、その時だけレンタカーを利用するという選択肢もあることをお忘れなく。多人数で使うのが、年に2~3回程度であるなら、レンタカーを借りた方が賢明と言えそうです。

安全装備の充実度は要チェック

さらに、子どもを乗せるファミリーカーの装備チェックで欠かせないのは安全装備の充実度でしょうか。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やエアバッグのほか、横滑り防止装置なども、いざという時の安心感につながります。そのほか、最近では、スバルやダイハツ、スズキの衝突回避支援システムも登場しました。

また、誰がどのくらいの頻度で何に使うのかもイメージして、目で見て触って確かめることも忘れずに。ディーラーでの試乗も、取り回しがしやすいか、右左折時の視界が確保されているかなど、細かくチェックできます。さらに、カタログやコマーシャルだけではわからない使い勝手や乗降性などを確認して、より自分の家族にあったクルマを見つけましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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