都会での生活を享受してきた後に選び取る、第二のふるさとでの暮らし。いきなり田舎暮らしを目指しても、文字通り荒野に放り出されるようなもの。快適な暮らしへソフトランディングするためには事前の準備が肝心です。何が次の人生を豊かにするのか、じっくりと田舎でのライフスタイルを吟味しておきたいものです。

さて、今日は「俳句」を学ぼうか!

1時限目:田舎暮らしは季語だらけ

画像はイメージです

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俳句は季節感の文学ともいわれ、春夏秋冬の季節を表す季語・季題を必ず盛込むというルールがあるのはご存知の通り。

やがて来る春を例にとると、動物では猫の恋、蛙、鶯、雲雀、囀り、桜鯛、蛍烏賊など。植物では山桜、辛夷、馬酔木、ヒアシンス、春大根、土筆、菫など。時候・天文では春めく、春の宵、花冷え、東風、風光る、別れ霜、花曇など。

生活や行事の季語もあります。春日傘、草餅、野焼く、磯遊び、針供養、白酒、薪能、花祭、利休忌……。まさに季語は田舎暮らしの森羅万象に及んでいますね。俳人デビューの舞台としては事欠きません。(季語は旧暦をもとに分類されており、今の感覚では捉えにくいものもあるのでご注意を)

田舎暮らしガイドのシリーズ記事「日本は季節とコラボする」も、どうぞご参考に。

2時限目:とりあえず俳号をつけてみる

春めく田舎暮らしの縁側、穫れたての泥付き大根がご近所から。よしここで一句!
早まってはいけません。楽問とは遊び心を持って学ぶこと。十七文字をひねり出す前に、自分の俳号を持つことをお勧めします。俳句の世界で使うハンドルネーム。これさえあれば一気に俳人気分を味わうことができます。

本人の好きなように名乗るのはかまいませんが、冗談でも「お笑い俳人スギちゃん」とか「唄う・くまモン」といった類は避けるのが賢明です。ビギナーズラックで素晴らしい一句ができたとき、そこに「スギちゃん」と記されている。これは切ない。まぁ「あしたのジョー」程度なら同世代の共感を呼ぶかもしれませんが。

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まず、自分の名前を音読みしてみます。私の場合、康敬(やすたか)ですから、「こうけい」と読ませる。別の漢字を当ててみると「光慶」「候鶏」「恋螢」と、なにやら雅びなような深い意味があるような俳号ができあがります。この実態(あなた自身)をぼかしながら作者をつかまえさせないところがポイントですね。

自分の出身地や移住先の自然や、生まれた季節の季語をいただく。草木がいっせいに芽吹きはじめる喜びの春の季語を「山笑う」といいますが、「山笑亭」「山笑女」にしたりすると、一気に俳号めいてきます。

俳句の「俳」の字には滑稽、おかしみといった意味があります。つまりユーモアですね。それもどこか斜めに構えたユーモア。

昼休み

もっと遊びたかったら「流浪の詩客(EXILE)」「我々女(Lady GaGa)」「出嵐(ディラン)」「転石(ローリング・ストーンズ)」、ご夫婦向けには「妻文(サイモン)」と「我半狂(ガーファンクル)」など。自分の趣味趣向から選ぶなら「馬凡(バーボン)」や「升宙(焼酎)」なども如何かな?くれぐれも、暴走族グループ風やタカラヅカ風にならないようにご注意を。

ちなみに私の俳号は「一睡庵」。田舎に移住して、最初に意気投合した陶芸家が命名してくれました。一睡はうたた寝、少しの間のひと眠り。庵は茅葺きの小屋、僧侶・世捨て人や風流人などの住む質素な小屋の意味。まだまだ俗人ながら、田舎暮らしのゆったりとした時間の流れを感じられて気に入っています。

3時限目:先人の俳号を参考にする

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俳句を始めるなら芭蕉や山頭火を目指したい!こんなやる気の真面目な人には著名な俳号をご参考に。

・「夏草や兵どもが夢の跡」松尾芭蕉/移り住んだ深川の草庵に門人から芭蕉の株を贈られたことから。

・「わけいってもわけいっても青い山」種田山頭火/たまたま見いだしたその文字の音と義が気に入ったので。

・「遠山に日の当たりたる枯野かな」高浜虚子/彼の本名は清(きよし)で、これをもじって虚子とした。

・「降る雪や明治は遠くなりにけり」中村草田男/腐った男が俳号の由来。

・「恋知らぬ猫のふり也球あそび」正岡子規/若い時結核で喀血。啼いて血を吐くホトトギス(漢字で子規)という表現があることから。

次はいよいよ五七五の実践です。