アート・美術展/アートの楽しみ方入門

もうひとつの美術館の歩き方

美術館は作品を見る場、でも、作品がある場、だけでもありません。作品キャプション、音声ガイド、休憩室など、作品を深く知ることや楽しめるものがあるのです。初心者でも楽しめる美術館の歩き方をお伝えします。

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

「作品を見る」だけじゃツマラナイ!展覧会

東京国立近代美術館は昨年開館60周年となった、日本を代表する美術館のひとつ。主に日本の近代、つまり明治時代以降の作品を「所蔵」(美術用語で「コレクション」といいます)。海外や現代の作品も「所蔵」されています。

5月26日まで、東京国立近代美術館の所蔵品を集めた所蔵作品展「MOMATコレクション」を開催中です。ではさっそく会場へ行ってみましょう。

彼女は何をしているのでしょう?

彼女は何をしているのでしょう?

おや、彼女は何をしているのでしょう?

彼女が見ている作品は、古賀春江の《海》という作品です。




古賀春江 《海》 1929年 東京国立近代美術館蔵

古賀春江 《海》 1929年 
油彩・キャンバス 130.0×162.5cm 
東京国立近代美術館蔵

どういった作品なのでしょうか?

タイトルにある「海」に向かって、水着姿の女性が手を挙げ、飛行船や潜水艦、そして工場のような施設、なんとなく少し古い時代のような雰囲気を感じることができます。





作品キャプション

作品キャプション

作品の隣にあるプレートを見てみましょう。

これは「キャプション」と呼ばれていて、作家の名前、作品のタイトル、制作された年、素材(つかわれた画材)が表示されています。

そしてこの場合、以下の作品の説明文が書かれています。




鳥と飛行船(空飛ぶもの)。魚と潜水艦(泳ぐもの)。右端の女性と左端の工場(すっくと立つもの)。この作品には、いくつもの「自然のもの」と「人工のもの」のそっくりペアが見つかります。ちなみに女性は名女優、グロリア・スワンソンの絵葉書をもとに描かれています。


どうです?

鑑賞の参考になったかと思います。ちなみに、東京国立近代美術館の場合、キャプションの文章は美術館が書いており、キャプションのデザインは、デザイナーの服部一成さんが手がけています。

さらに作品について知りたい方は次のページへ。

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