薬剤師/薬剤師とは

薬剤師のお仕事 MR編(2ページ目)

現在、日本には約6万人のMRがいるといわれています(2012年版MR白書による)。以前は製薬会社の営業マンのイメージが強かったMRですが、本来は医師をはじめとする医療従事者に自社の医薬品についての正しい情報を提供するのが役割でした。その後、2007年にMR認定試験が導入され、本来の形に近付いています。

久保田 嘉郎

執筆者:久保田 嘉郎

薬剤師ガイド

MRの日常業務

MRはコミュニケーション力が必要

多くの医療関係者と接するMRはコミュニケーション力の高さが求められる

MRは医師を訪れ情報を提供することが主な業務ですが、担当する病院・医院により仕事の進め方が異なります。

例えば開業医であればじっくり話をすることができますが、大学病院などの場合は、早朝や移動時の数分で自社医薬品についてポイントを伝えるという形になることが多くなります。

また、現在は医師の処方した薬を受け取る場所は、近隣の調剤薬局であることが多く、薬局にも足を運び同様の情報の提供や使用状況の聞き取りも欠かせません。

会社によりますが、基本的には担当している病院・医院を1日に数件訪問します。
そこで自社製品を案内して医師に処方してもらえるように、説明を重ねます。

新製品が発売されたときは、担当エリアの医師や薬剤師に向けて製品説明会行います。また、発売後の有効性や安全性に関しての情報収集も必要なため、医療従事者とコミュニケーションをうまくとり信頼関係を築くことが大切です。

他にも、MS(Marketing Specialist)と呼ばれる医薬品卸の担当者との関係も重要です。


MSはMRのパートナー

現在は価格の交渉は医薬品卸と医療機関とで行われるため、MRは関与することはありません。これらの業務は主にMSが担当しています。

MSはMRよりも頻繁に医療機関や薬局を訪問しているので、医師の治療方針や医院の事情に詳しく、MRが訪問の時に意見を求めることもよくあります。

MRという仕事は、全国転勤があることや数字で評価されることなど、ビジネス思考の強い薬剤師にとっては大変やりがいのある仕事と言えます。MRは勤務薬剤師としては高給ですが、残業や休日出勤など拘束時間が長いということは、多くの者が口をそろえるところです。

薬局開設にはMRが有利?

このように薬剤師であることが必ずしも必要ではないMRの仕事ですが、調剤薬局での開業を目指す薬剤師にとってはよい仕事であるといえるでしょう。

というのも薬局の開業に当たって必要なモノの一つ、開業を計画する医師とのコネクションが他の職種より得られやすいからです。MRとして病院勤務の医師と良好な人間関係を構築することで将来、医師の独立に合わせて、門前薬局を開業できる機会が生まれる可能性もあります。

事実、薬局開設者にはMR出身(薬剤師以外の者も)のものが多くいてまた、医師との接し方がわかっている彼らは信頼されやすく、医師の在職中から相談を受けることが多くあります。
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