カレー/カレー

アイデア盛り沢山、面白カレーのオンパレード

奇抜なメニューというものは暫し人々を狂喜させるが、長続きしないもの。しかし「河彩」のアイデアカレーは、普遍的な味わいにいつまでも魅了される。それは確かな技術に裏打ちされているからだろう。

小野 員裕

執筆者:小野 員裕

B級グルメガイド

河彩(かわいろ)」は、2012年の9月にオープンしたカレー専門店だ。

カレーは8種類ほど。その他、季節の食材を使ったカレーも提供している。定番の「欧風ビーフカレー800円」は、濃厚なダシの旨味とワインの風味、柔らかなビーフとレンコンの歯触りが楽しい文句なしの美味しさ。

カレー

欧風ビーフカレー800円

特筆は、アイデアが光る「アドバーダカレー800円」や「特製トンコツカレー700円」が極めて興味深い。
カレー

アドバーダカレー800円

アドバーダとはフィリピン料理の調理法の名称で、マリネした野菜や肉の煮込み料理のことを意味する。このカレーは、そのフィリピン料理の手法で、魚醤とお酢で味付けされ作り上げたものだ。サラサラなカレーソースは、ほど良い酸味が心地よく、仄かなクロープの風味が効いている。また具の豚バラ肉はこの上なく柔らかな食感は、たまらない美味しさ、病み付きにさせられた常連客も多いのだ。
カレー

特製とんこつカレー700円

また「特製トンコツカレー700円」もが実にユニーク。自家製豚骨スープに、紅ショウガ、揚げ玉、千切りの青ネギ、ゴマなどが散りばめられた逸品だ。一口いただくと濃厚な味わいながら不思議に軽やかで、揚げ玉のサクッとした食感は極めて面白く、どこかカレー風味のもんじゃ焼きのようなのだが、これがカレーとして確かな味わいを成立させているところに職人の技がある。

その他「スペイン風アヒージョ焼きカレー800円」、「海老クリームカレー700円」、「照りタルカレー800円」、「黒毛和牛のカレードリア1000円」、季節ものでは、自家製のカキペーストを使った「牡蠣のクリームカレー1000円」などなど、アイデア満載のカレーばかり。どれももれなく美味しいのには驚かされるだろう。
薬味

薬味3種類

実はこの店の本体は、イタリア料理屋などの有名洋食屋のソース、スープ、惣菜などの製造卸を生業にするセントラルキッチンが母体である。フロアーの奥は作業場兼厨房になっていて、日々業務用のソースやスープを製造しているのだ。

「その生産過程で、どうしても食材やスープが多目に出来てしまうので、何かに応用できないものかって悩んでたんですよ。それだったら僕の大好きなカレーを作ろう、って思いつきましてね。小さいですけどスペースもあったので、カレー専門店にしたんですよ」とオーナーの堀田雄一さん。

なるほど。名だたる洋食屋に卸しているスープや食材を使っているのだから、美味しいカレーも提供できるだろう。でも平凡なカレーなら容易だろうが、そこに一工夫加えて、なおかつ美味しいものを作り上げてしまうのが職人の腕。

駅から少々離れているけど、是非訪れてもらいたい。
店

店の外観

店

店内

≪店舗データ≫
店名:河彩
住所:東京都北区田端新町3-29-12
電話: 03-3984-0070
営業: 11時30分~14時(月~金)
休日:土・日・祝
交通:JR京浜東北線「田端駅」北口、都電荒川線「小台駅」、舎人ライナ―「赤土小学校前駅」いずれも徒歩10分
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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