ゲームが発売日に発売される理由

ゲーム売場の図

商品は確かに発売前にお店に届きます。でも、販売するのは発売日です。その当たり前なことが、なぜ当たり前なのか、というお話です

発売日よりも前に商品を購入することを、フライングゲット、略してフラゲなどと言います。先日、ネット通販大手のAmazonがCDやDVDの対象予約商品を発売日よりも前に配達する「発売日前日お届け」サービスをスタートしたことが話題になりました。CDなどについては発売日というのは比較的緩く、発売日の1日前を店頭に到着して並ぶ日ということで店頭日なんて呼ぶ言い方もあります。

一方でゲームに関して言うと、基本的に発売日を守って店頭に並ぶのが普通ですし、業界内でも発売日を守らないお店はルールを守っていないお店、ということになっています。しかし、Amazonの「発売日前日お届け」サービスなどが注目されると、ゲームだって発売日前でも売ってくれればいいのに、と思うお客さんもいるかもしれません。ここでふと考えてみると、なんで発売日に商品を発売するのか、という当たり前の話は、あまりに当たり前すぎて説明する機会が無かったように思います。

というわけで、なんでゲームは発売日を守って発売しているのか、また、発売日を守らずフライング販売する店舗の何が問題なのか、についてお話したいと思います。

本題に入る前に1つお断りを。ガイドはゲームが専門ですので、CDやDVDに関して何故発売日を守らなくても良いのか、ということについては今回詳しい説明はご勘弁いただきたい次第です。こちらはこちらで、商品の特性やゲームとは別の商慣習なんかがあるんですね。今回はCDやDVDとの比較ではなく、あくまでゲーム業界はこうなっているよ、というお話です。

フライング販売をすると、周りの店が困る

ゲームショップの図

ゲームは、1つ1つの商品に顧客がついていますから、そのユーザーが他所の店に流れれば、たちまち不良在庫が発生しやすくなります

ここでは発売日よりも前にゲームを売るお店を便宜上フラゲ店という名前で呼ぶことにします。さて、そのフラゲ店が何故発売日前にゲームを売るのか。答えは簡単で売れるからです。いち早くゲームが遊べる、他の人が遊ぶ前に触ることができる、それが付加価値となって発売日に店頭に並べるお店に対して優位に立つことができます。

逆に言うと、その分、発売日にゲームを店頭に並べている普通のお店は損をすることになります。利益を削って価格を下げても、ゲームの面白さが伝わるPOPを作ってみても、充実の品ぞろえを目指したとしても、発売日よりも前に販売するお店があって、そちらにお客さんが流れれば自分の店舗はその分売りにくくなります。

これまでも何度かゲーム業界ニュースでご説明していますが、ゲームは非常に利幅が低く、10本仕入れても、1本2本の売れ残りで利益が吹き飛んでしまうような商材です。

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販売本数数万本でコアゲーマーに売れてる、というようなゲームの場合、店頭で仕入れるのは数本という場合があります。お店は基本エリアマーケティングですから、その地域内にそのゲームを遊び、なおかつ実店舗で購入するユーザーがどれくらいいるか、そのユーザーの取り合いになります。それがフラゲ店にゴソッと奪われてしまうのであれば、ただでさえ少ない仕入れ本数を減らすか、自らも発売日前に販売を始めるしか対処のしようがありません。仕入れ本数を減らすということは品揃えを悪くするということも意味するわけで、ますますお店から客足は遠のきます。

じゃあ、困ったお店はどうするのでしょう?