オーディオは純正との連携を模索

さて、オーディオである。ここ近年、ヨーロッパ車を中心にクルマの電気系統は複雑化していて、純正オーディオを外して社外品に入れ替えるという行為は、どんどん難しくなっている。そのため、純正オーディオのサウンドクオリティには満足できなくても、我慢している人が多いのが事実。それを解決するために、各社がさまざまなアイテムを開発中だ。
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オーディソンPrimoはDSP内蔵の8chアンプ


そのひとつが、イタリアのオーディソンがCESに参考出品していた「Prima」。イコライザーやクロスオーバー、タイムディレイの調整が可能なDSPと8chデジタルアンプをコンパクトなボディに収めたアイテムだ。ハイレベルインプットに対応しており、純正オーディオのスピーカー出力を入力可能で、音楽ソースの再生は純正システムでそのまま行う。その信号を「Prima」に入力してDSPによるサウンドチューニングを行ったあと、内蔵のパワーアンプで増幅してスピーカーを鳴らす。つまり純正オーディオに「Prima」を追加してスピーカーを交換し、きちんと調整すれば純正より格段にいい音で音楽が楽しめるというわけ。純正オーディオを入れ替えずに済むから、クルマの加工度も軽く、全オーディオシステムを入れ替えるよりコストも大幅に軽減できる。

フォーカルからも純正システム連携のアイテムが

似たような発想のアイテムは、フランスのフォーカルもCESで参考出品していた。DSA500RTというアイテムはサブウーファーにフロントスピーカー用+サブウーファー用の3チャンネルアンプとDSPを内蔵したもの。やはり純正システムにこれを加えてフロントスピーカーを交換するだけで、大幅な音質向上が望めるばかりか、低音の増強もできる。
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フォーカルはDSP&アンプ内蔵のサブウーファーを開発中


フォーカルは元々スピーカーメーカーだから、フロント用のスピーカー・ラインアップも充実。昨年から簡単にスピーカー交換できるように車種別のトレードイン・スピーカーを増やしており、昨年はプジョー207用に続きゴルフ6用スピーカーを発売。今年はBMW用の発売も予定している。

スピーカー交換がクルマの高音質化のカギ

このように、純正オーディオ(CDプレーヤーなどのソースユニット)の交換がどんどん難しくなってきた今、音質向上を図るには、まず「スピーカーを入れ替えてみる」というのも常套手段のひとつである。そんなニーズにぴったりのスピーカーが、ダイヤトーンから発売された。DS-G20(63,000円)というモデルである。
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ダイヤトーンDS-G20。性能を考えると抜群にお買い得


このスピーカーは、一昨年に発売されて好評のDS-G50(150,000円)と同じカーボンナノチューブのNCV振動板を使用し、16cmウーファーと3cmドームコーン型トゥイーターを組み合わせたセパレート2ウェイというスピーカー構成も同じ。ウーファーの磁石を高価なネオジウムから一般的なフェライトに変えたり、アルミフレームを樹脂フレームに変えるなど、あらゆる部分でコストを削減し、DS-G50に比べて大幅な価格ダウンを実現している。ただし、音はDS-G50を受け継ぐもので、まったく遜色ないといえば言い過ぎかもしれないが、音の傾向はかなり近い。63,000円はけっして安いとは言えないが、DS-G50が150,000円と考えると、ものすごくお買い得。クルマでいい音を楽しむなら、ある程度の出費は必要だ。

取付性にも優れていて、市販のインナーバッフルで取り付けられるクルマも多いし、ドアのデッドニング(制振)といった作業を行わなくても低音がダブつかず、わりといい音が得られやすい設計なのもうれしい。純正システムを、昨年発売されたダイヤトーン・サウンド・ナビなど、音が良いカーナビに変えると、さらに格段にサウンドクオリティは向上する。

純正システムの交換が難しくなる状況は、今後もさらに続くだろうし、いずれはカーナビも含めて、ヘッドユニットを社外品に入れ替えるという発想は無くなる可能性だってある。それでも、音楽好きならより良い音で音楽を楽しみたいと考えるもの。そんなニーズに応えて、オーディソンPrimaなどのように純正システムを利用しつつ高音質化が望めるDSPアンプや、リーズナブルかつ良質なスピーカーが増えることを願望も含めて期待したい。

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