魅力あふれる兼六園の雪景色
国の特別名勝で日本三名園の一つとして数えられる兼六園は四季を通じて優雅な景観が楽しめる庭園ですが、雪が積もるとさらに趣が増して、どの景色も思わずカメラに撮りたくなってしまうほど。今回はそうした冬ならではの雪の兼六園をご紹介します。
雪吊りの唐崎松(からさきのまつ)
唐崎松は兼六園の中でも枝ぶりが見事な松として知られています。加賀藩13代藩主・前田斉泰が琵琶湖畔の唐崎から種を取り寄せ育てた黒松でカメラスポットにもなっています。その唐崎松が冬の間は「雪吊り」がほどこされ、さらに風情のある姿を見せています。雪吊りは雪の重みで枝が折れないようにほどこされるもので、毎年11月1日に作業が開始されますが、最初に行われるのがこの唐崎松です(悪天候の場合は低い木からになる事も)。地元でも冬の訪れを感じさせる風物詩となっていて、毎年ニュースに取り上げられています。
ことじ灯籠
金沢のシンボルと言えることじ灯籠は、足が2本ある珍しい灯籠で、形が琴の糸を支える琴柱に似ていることから、その名前がついたといわれています。灯籠の頭に雪が積もった様子は冬ならでは。前に架かる虹橋ともみじの古木とともに、情緒あふれる景色です。
根上松(ねあがりまつ)
こちらは根が地表に出ている変わった景観の松・根上松です。唐崎松と同様、13代藩主・斉泰が趣向を凝らし、土を盛り上げた所に若い松を植え、成長した後に土をのぞいたものだと伝えられています。根は大小40余りもあり、地上2メートルにまでせりあがっています。雪はその盛り上がった根の間にも降り積もります。