銀行の残高も10万円以上持たないくらいがいい
「お金があると気が緩む」は誰でも起きることです。私はFPとしてお金のことを考える専門家ですが、銀行預金通帳に100万円以上の残高があると消費の気が緩むことを感じます。ですから、基本的にメインバンクの残高は20万円くらいを上限として、サブバンクにお金を移すことにしています。これは「現金を多く持たない」を、銀行通帳にも拡大して応用したものです。メインバンクであれば「定期預金」にお金を振り替えて、普通預金の残高を減らす方法がありますし、金利のよいネットバンク等にお金を移し替える方法もあります。証券口座に入金して、「これはおろさないお金」としてしまうのも有効です。見えないところに移したお金はなぜか残ったりします。
老後のことを考えれば最終的に3000万円の現金を作りたいところですし、住宅購入資金や教育資金を貯めることを考えれば、メインバンクの普通預金だけでは管理は困難です。日々の節約からさらにステップアップしたときも「現金を多く持たない」の感覚を活かしてみるといいでしょう。
現金を持たない場合も無駄遣いの恐れあり!
ところで、クレジットカードや電子マネーは「手元にお金を持たない」方法ですから、節約に役立つかというと、実は逆効果です。現金を持って消費するより、実際の現金を介さない消費のほうが財布の紐が緩くなることは基本知識です。例えば現金で10万円というとためらう買い物も、カードの分割払いだと買えてしまうようなものです(実際には割高な買い物なのに!)。ネットの通販サイトのメルマガを見ると、買うつもりがなくても魅力的に見えて、ついついクリックしてしまったことは、誰でも経験があるはずです。
電子マネーのように数百円の消費も同様で、小銭を出さないのが便利だからと気軽に使っていると、1万円くらいのつもりが請求は2万円だったりします。カジュアルな小さな消費だからと気持ちが緩んでしまうわけです。
今回は現金生活をベースに「ATMで少なくおろす」を考えてみましたが、カードの利用や電子マネーの利用には一定の制限を課すような工夫が必要です。
節約のきっかけはささいなところから
節約のきっかけをつかむことはなかなか大変です。強制的に天引きすることはオススメできる方法ですが、実行のため銀行窓口で手続きをするのはなかなか大変です。しかし「ATMで金額を少なくおろす」は難しい話ではありません。いつものATMでボタンを少なく押すだけでいいからです。手間もかかりませんし、これで少しでも節約になれば儲けものです。
節約が実現すると、それは小さな自信となりますし、続けばそれがさらなるステップアップにつながります。とりあえず、今日から「ATMでは1万円単位ではなく、80%の金額でおろす」を実行してみてはどうでしょうか。