ギャラ暴落の2013年!? 高額ギャラが約束されていたオーディション番組審査員にも不況の波が?
ここまで色々述べてきましたが、悲しきかな、現在はよっぽどのスターでない限り、1話で億単位を稼ぎだすアメドラ俳優なんてまずいません。それどころか、業界でタブーとされてきた、シーズン更新時での出演者のギャラ値下げもありうるほど(人気や実力の低下ではなく、単なる不景気の問題で)。2012年8月に米TV Guide誌で発表された「出演料ランキング」に関する記事では、「数年前は1話で7万5000ドル(約600万円)稼いでいた俳優が、今では5万~6万ドル(約400万~480万円)程度の相場になっている」、「舞台で活躍している役者がテレビに進出したことにより、出演料が低下するようになった」なんて裏話が紹介されており、『フレンズ』の1話で1億オーバーなんてはるか昔の話のよう。出演者たちのギャラ相場は下がる一方なのであります。
昨年夏の時点では、そんな不況下でも唯一ギャラ右肩あがりを続ける番組として、『アメリカン・アイドル』、『Xファクター』といったオーディション番組があげられていました。『Xファクター』では、シーズン2から審査員にブリトニー・スピアーズが抜擢され、その契約金がなんと1シーズンで12億円、その後、2012年秋に『アメリカン・アイドル』シーズン12の新審査員として、マライア・キャリーが抜擢され、その契約金がブリトニーを上回る13億6,000万円だったことでも話題に。
もはや、景気がいいのはティーンたちの間で人気のやまないオーディション番組の審査員だけか、と思っていたのもつかの間、2013年に入り衝撃のニュースが。なんと『Xファクター』の審査員ブリトニーがシーズン2をもって降板となったのです。その原因はまさにギャラの値上げ交渉の決裂。制作側が意図したほど、ブリトニーの起用によって視聴率が向上しなかったためそこまでブリトニーに支払えない、とのことで、いくら人気番組とはいえ、数字が伸びなければビッグスターであれバッサリ切られてしまう時代。
ハリウッドスターの間でも、日本のサラリーマンが新橋あたりでぼやいているような、“リストラ”や“不景気”の愚痴がとびかっているようです。「今まで、ロスからサンフランシスコにいくまでプライベートジェット機をとばしてたのに、今はなんとユナイテッドのファーストクラスよ!? サービスも他人と一緒にだし、もう散々だわ!」、みたいな感じでしょうかね。