昼間は北から南へと車が忙しく行きすぎ、木枯らしのふきすさぶ夜ともなれば、家路いそぐ人々がコートの襟をたて、身をかがめて足早に通るだけで、イチョウ並木がぼんやりと橙色の街灯に照らされている姿など、足をとめてみることはないでしょう。
そんな日常のケの姿から一変して、12月14日からの38日間は、だれもが足をとめ、時には遠回りまでしてでも観に来る、まばゆいハレの装いへと変身するのです。
1.9キロの光のうずがすごい!
1.9キロメートルのイチョウ並木を飾る電燈は、いったい何万個になるのでしょう?押しよせる人波を整理するため配備された警備員さんに注意されながらも、その美しい光に引き寄せられ、毎年足を止め、写真を撮ろうとカメラを構えてしまいます。
今年度はこの御堂筋イルミネーションと大阪市庁舎の周辺のイルミネーションを呼応させて、「OSAKA光のルネサンス」と題してホームページや駅などで宣伝しているようです。
光の中でそぞろ歩きしてみませんか?
イルミネーションがおもしろいのは、年を重ねるごとに、周囲の建物もライトアップされるようになったことです。たとえば、御堂筋に面して建つビルの前に、クリスマスツリーとインターネットのCMでおなじみのマスコットが。そして御堂筋を一本東に入れば、昭和デカダンスをただよわせる元裁判所の建物が、光に照らされています。
先日など、工事中の建物の横を通りかかったとき、ふと見れば、防音壁の角々が、光のサンタや雪だるまで飾られているのを発見して思わず笑ってしまいました。
寒さが日に日にきびしくなり、ついつい背中を丸め、うつむいて家路を急いでしまいますが、いつもの道をすこうしだけそれて、御堂筋の光の中を、そぞろ歩きしてみませんか。
■御堂筋イルミネーション
アクセス:
北からなら/京阪本線・大阪市営地下鉄「淀屋橋」から徒歩すぐ
南からなら/大阪市営地下鉄「本町駅」「心斎橋駅」から徒歩すぐ
開催時間:2012年12月14日~2013年1月20日までの17時頃~23時
ホームページ:御堂筋イルミネーション