紅葉観賞と合わせて、歴史散策も楽しめるお寺 二尊院
二尊院は、平安時代はじめの承和年間(834~848)に、嵯峨天皇の勅願により慈覚大師円仁が開いたという古い歴史をもつお寺です。小倉山の東麓にあり、小倉百人一首ゆかりの藤原定家の時雨亭があった場所とも言われ、京都でも有数の紅葉の名所として知られています。二尊院の「二尊」とは、釈迦如来坐像(発遣の釈迦)と阿弥陀如来坐像(来迎の阿弥陀)の二体のご本尊をおまつりすることにちなみます。
入口に建つ総門は、もと伏見城の薬医門とされ、この門から有名な「紅葉の馬場」と呼ばれる広い参道が続きます。秋が深まると、参道の両脇に植えられたもみじが真っ赤に染まり、約100mにわたり真っ直ぐに伸びる紅葉のトンネルが現われます。紅葉の名所がひしめく嵐山・嵯峨野でも、この美しい風景は二尊院でしか見ることができません。
この他、境内のあちこちで赤やオレンジのもみじが色付きます。そして、「小倉山 峰のもみじ葉 心あらば 今ひとたびの 御幸またなむ」(藤原忠平)の和歌でも名高い、もみじの名所・小倉山の紅葉を借景として観賞することができます。
境内の墓地には、大堰川を開墾した、豪商の角倉了以や、儒者の伊藤仁斎などの墓があり、紅葉観賞と合わせて、歴史散策も楽しめるお寺です。
■二尊院(にそんいん)
・住所:京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
・電話:075-861-0687
・拝観料:500円(大人)
・拝観時間:9:00~16:30
・アクセス:JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅から徒歩15分