お抹茶と和菓子をいただきながら、
心静かに紅く色付くカエデを愛でるのがおすすめ
皇室の菩提寺で、御寺とも称される泉湧寺の塔頭が雲龍院です。泉湧寺の境内よりさらに高台にあるお寺で、西国薬師霊場四十番札所としても知られます。お寺のはじまりは、室町幕府の3代将軍足利義満の時代、応永5年(1371)に後光厳上皇により創建されました。
書院の前の庭園は、自然の樹木が多く植えられた苔庭で、野趣に溢れた四季の変化が楽しめることで有名です。
この庭を観賞する時、書院の正面に据えられた2つの大きな庭石に注目しましょう。この石は、天下人・豊臣秀吉が京都に建立した方広寺大仏殿の覆屋の礎石と伝えられています。方広寺の大仏さまは高さ18mと言われ、庭石の大きさからもその壮大さがうかがえます。
雲龍院で紅葉を観賞するのであれば、書院の座敷に座り、お抹茶と和菓子をいただきながら、心静かに紅く色付くカエデを愛でるのがおすすめ。人の手を加えられた巨大な礎石をモチーフに、苔やツツジの緑と紅葉の紅色のコントラストが、皇室ゆかりの寺院ならではの雅さを演出します。
書院の左端には真円を描く悟りの窓があります。この窓越しに、障子の間、短冊状の空間から一握りの庭の景色を眺めるのも、また風情があります。
■雲龍院(泉湧寺塔頭)
住所:京都市東山区泉湧寺山内町36
電話:075-541-3916
拝観料:一般300円
拝観時間:9:00~16:30
アクセス:JR・京阪東福寺駅から徒歩15分
HP:http://www.unryuin.jp/