孤高のピアニスト フジコ・ヘミング
彼女の生い立ちはとても複雑です。猫に絵を愛す、猫の餌代を稼ぐためにピアノを弾くとも。貧しさゆえ、風邪をこじらせ聴力のほとんどを失ったといわれています。一時、フジコ・ヘミングのCDが異例のセールスを記録したこともありました。彼女のピアノの音色には物語が立体で迫ってくる気がします。何よりもピアノの主旋律がきれいにきこえる。それも一音一音に魂がこもっているからその音色が生み出すひとつのストーリーが想像できます。
音が立体になるんでしょうか。技巧云々よりも、正しく弾くことが正解ではないのだと。
ときには和音削って弾いているんではないか? とおもうぐらい主旋律が生き生きとしている。そして優しく、ときに悲しい音色。それはきっと彼女自身の人生をも含んだ音色だとも思ってしまうくらい。
クラシックから縁遠い方も、とても入りやすいと思います。まずは耳にしたことのある曲から聴くのもおすすめです。リストのラカンパネラや愛の夢、ショパンのノクターン第2番とこのあたりから聴かれてはいかがでしょうか。
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