第3位『はつ恋』
恋愛ドラマは若者向けは流行りませんが、『セカンドバージン』のヒットから大人向けは好調。今年もその流れで『最後から二番目の恋』と『はつ恋』が好評でした。『最後から二番目の恋』は恋愛になりそうでなかなかならないひねった作品なのでストレートな恋愛ドラマである『はつ恋』を三位に。韓流ドラマは日本の恋愛ドラマ全盛期を研究してできたものですが、『はつ恋』は韓流を再解釈したような雰囲気です。ベタな設定ということは共通していますが、韓流は勢いで押し切るものが多いのに対して『はつ恋』は丁寧に描いているのが特徴です。
特に昔の初恋の描写が村上緑の女子高生時代を演じた橋本愛のみずみずしさも加わり美しく、それが現代の恋愛にも説得力をもたしています。
脚本の中園ミホは病院が舞台ということが共通する『ドクターX~外科医・大門未知子~』で高視聴率をマーク。以前、中園ミホ脚本で1993年の『白鳥麗子でございます!』、2000年の『やまとなでしこ』、2007年の『ハケンの品格』と「変な女のヒット作が7年おきにでる」と書いたことがありましたが、『ドクターX』は5年ぶり。今度はちょっと早かった。
第2位『リッチマン、プアウーマン』
若者向け恋愛ドラマもサボっているわけじゃありません。今年の月9で唯一の恋愛ドラマだった『リッチマン、プアウーマン』。全盛期の恋愛ドラマのパターンをちりばめ、おしゃれなアイテムを次々と繰り出し、表面的には昔ながらのようでいて全然違う、現代の恋愛ドラマをつくっています。過去のパターンを使いながら、違うことになる代表例はラスト。ブラジルにいくかいかないか、別れるか別れないか、『男女七人夏物語』に代表される最後の選択ですが、ブラジルにいってもネットでつながっている、というのが現代でありネット企業を舞台にしたことをうまく使ってます。かなりおもしろく話題にもなったんですが、視聴率的には小ヒットどまり。やはり若者向けはつらいようです。
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