今回ご紹介する「宝粋」は、おめでたい時に用いられる、宝尽くし(たからづくし)※のイメージを持ったお正月にぴったりの名古屋帯の帯結びです。複雑そうに見えますが、実は基本の結び方の角だしのアレンジですので、名古屋帯で気軽に結んでみて。
※宝尽くし(たからづくし)
吉祥文様のひとつ。いわゆる宝物を集めた文様で、如意宝珠(願いのかなう宝のたま)、宝やく(かぎ)、打ち出の小槌、金嚢(きんのう 金銭を入れる袋)、隠れ蓑(かくれみの)、隠れ笠、丁子(ちょうじ)、宝剣、宝輪、法螺などを散らしたもの。福徳を招く文様として喜ばれ、祝儀のきものや帯などによく用いられる。
「宝粋」の結び方手順
仮紐は帯の上線に
1.手の長さはウエストくらいにとって、胴に2巻きし、仮紐を掛ける。(
帯の結び方【名古屋帯/お太鼓結び】参照)
ひだは丁寧に作る
2.たれ先に箱ひだを取り(
ひだのとり方参照)、裏側を向けて(裏箱ひだ)先を上向きに持ってくる。
背中の中心にくるように少なめに出す
3.結び目の上にくるよう背中心に置き、仮紐に掛ける。
(この時下側は中表で輪になっている)
残りのたれの長さを見ながら調整
4.たれの仮紐から20cmくらいのところにも裏箱ひだをとって帯山を作り、帯枕をあて、帯山と仮紐の間に手をのせる。
枕は背中ぴったりと付けるようにしっかりと
5.帯枕をしっかりとのせて前で結び、帯揚げを掛ける。この時手が半分に折れるようになるがこれがヒダとなって横羽根に立体感が出る。
お太鼓は少し小さめに作るとバランスが良い
6.お太鼓の大きさを決めて、帯締めを通し、お太鼓を作る。この時、両側をすくい上げるようにすると、丸みができて立体的に仕上がる。
上から出ている羽根は全体のバランスを見て調整
7.手を広げ、輪になっているたれの部分を全体のバランスを見ながらキレイに整えて出来上がり。