建築時期で分かる住まいの耐震性
老朽化が進んだ家は耐震性も低下している可能性が(写真はイメージ)
1981年6月の建築基準法の改正では、震度6~7の大地震でも建物が倒壊・崩壊しない耐震性を持たせることが盛り込まれました。従って、基本的にこれ以降に建てられた建物に関しては、大地震の際でも建物は持ちこたえ、中にいる人が崩れた家の下敷きになってしまう恐れは少ないと言えます。
老朽化も耐震性を低下させる
しかし、これ以前に建てられた古い建物は、基本的に震度5程度までなら持ちこたえる造りになっていますが、震度6を超える大きな地震が来た時に、家が崩れずに耐えられるかどうかという検証をされていません。また、もうひとつ危険であるという理由として、築30年を超す木造住宅は、目に見えない部分で腐食が進んでいるかもしれないことがあります。基礎部分で蟻害があったり、雨漏りや結露などによって屋根裏や壁の内部で柱や梁が腐っている可能性もあります。そのような腐食があれば、さらに耐震性は低下してしまいます。家族の命を守るために、まずは耐震診断を
それらの事も含め、その家の耐震性がどの程度あるか耐震診断でハッキリさせること、そして必要な耐震補強を適切な場所に施すことが、大切な家族の命や財産を守るためにまず着手すべきことと言えます。あるいは「一度耐震診断を受けなくては」と思っていても、どんな検査をするのか、費用はいくらくらいかかるのか、どこへ頼んだらいいのかわからずに先延ばしにしている方もいるでしょう。そこで今回はプロの耐震診断とはどういうものか、ご説明したいと思います。
プロが行う耐震診断の方法
2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と耐震補強」(一般財団法人日本建築防災協会)
診断方法には「一般診断法」と「精密診断法」の二つの方法があります。いずれも耐震補強の必要性を判定します。
一般診断法と精密診断法について次ページで解説します。