天然記念物の奇岩の上に建つ
巨大な岩の上に本堂が建てられており、石山寺の名はこれに由来します。この岩は、花崗岩などのマグマと石灰岩が接触し熱で変成してできる硅灰石を異例なほど大量に含んでおり、また、褶曲の様子がよくわかる点でも地質学的に貴重であることから、「石山寺硅灰石」として国の天然記念物に指定されています。一種異様な迫力をもつ巨岩の上に建つ伽藍は、鬱蒼と茂る樹木とあいまって、数ある古寺のなかでも一味違う美しさ。わたしが訪れたのは10月で、紅葉はまだまだでしたから、紅葉の時期にはもっとすばらしいだろうと思います。紫式部、源頼朝ゆかりの歴史
平安時代、宮廷の女官らの間では石山詣が流行していたことが、『枕草子』『蜻蛉日記』『更級日記』『和泉式部日記』といった当時の女流文学の記述から知られています。伝承によれば、紫式部が『源氏物語』の着想を得たのも石山参詣のときとされ、これに因んで本堂には紫式部の木像を置いた源氏の間があります。また、国宝に指定されている多宝塔は源頼朝が寄進したもので、建築年代の明らかなものとしては最古の多宝塔です。
月見の名所、花の名所
「石山秋月」として近江八景の一つになっている月見の名所で、毎年、中秋の名月の日に秋月祭が催されます。また、琵琶湖をかたどった回遊式庭園の無憂園の桜や花菖蒲など、境内各所に四季折々の花が咲く花の寺としても知られ、公式ブログ「石山寺四季のたより」に開花情報が随時掲載されています。「石山寺四季のたより」http://www.ishiyamadera.or.jp/ishiyamadera
/flower.html
■石山寺
所在地:〒520-0861 滋賀県大津市石山寺1-1-1
電話:077-537-0013 FAX:077-533-0133
拝観時間:8:30~16:30(入山受付16:00まで)
入山料:500円
アクセス:JR東海道線石山駅から京阪石山線に乗り換え石山寺駅下車。又は京阪バスで石山寺山門前バス停下車。京阪石山寺駅から山門までは徒歩10分。
URL:http://www.ishiyamadera.or.jp/
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