青梅から国分寺に移転、ねじまき雲(陽)
窓辺には青ざめたきのこのオブジェ
エスプレッソマシンはパヴォーニの「ストラディバリ」
パヴォーニ社の手動式エスプレッソマシンは、美しい「ストラディヴァリ」。ヴァイオリンを象った、日本では稀少なモデルだ。弦を奏でる弓のようなレバーを繰る百合子さんは、長沼さんと双子のように似通った感覚の持ち主。理想のエスプレッソの味を訊ねると「……醤油?」という答えが返ってきた。長沼さんが「醤油のもつ出汁(だし)のような甘さや香ばしさ、飲みごたえ」と補足してくれた。
出汁の文化。それは有名な『舟歌』の英訳歌詞が「shimijimi drinking, shimijimily」であることにも似て、日本人ならではの味覚に根ざした、翻訳の難しい文化なのかもしれない。ねじまき雲の珈琲とエスプレッソは、しみじみと旨いのである。
青梅から国分寺へ。陰陽の世界観のもとに。