それでも、節約だけが貯金を作るわけではない
自分なりのやりくりの仕方を見つけよう。支出は厳選して、無駄が出ないようにきっちりと。でも、必要なお金まで削らないように…。
支出を抑えるためだけの暮らしになると、どうもガマンばかりしているような、ひもじいような感覚になってしまいます。生活自体がネガティブになってしまうと、生きている意味さえ疑ってしまうかもしれません。
ですから、節約できるところとできないところをきちんと区分けしていかなくてはいけないのです。それは支出のすみわけであったり、自分に対するアメとムチだったりします。
いつもは買わなくても生活できているものは、あえて買わなくてもいい、でも使ってみたいと思うのであれば、自分へのご褒美としてそのものを与えるとよいと思うのです。
自分の家計がカツカツ家計と思う人は、まず支出を厳選してみてください。ムダなのかもと思う支出には厳しい目で、これはないと困るという支出はできるだけ抑えるように考えるけれどもカットすることはしないという若干甘めな目で厳選してください。それで少し余りそうなお金が出てきたら、貯金に取り組められる兆しです。
これなら頑張れるという方法と、こうなりたいという強い思い
私はFPになる前から、またFPになった後も、ある分野に特化したFPになりたい、お金のやりくりがうまくできない人の助けになれるFPでいたいと強く思って活動し、今に至ります。今では人並みの収入を得ることができるようになりましたが、お金がなくてカツカツの生活、というのを何年も経験しています。もしかすると、カツカツ以下だったかもしれません。その状況でも子供は4人ほどいて、何とかこの子たちの暮らしを守りたいという思いと、自分の人生における仕事の目標がその状況から脱出する糸口になりました。私の場合、自己投資への支出は厳選しつつも惜しまず、食費は安売り狙いで切り詰めつつも子供がある程度満足する内容で、その他は必要最小限にとどめるとしてきました。毎月の収入は、「カツカツで…」と家計簿を見せてくださる方々より少なかったかもしれません。それでも支出を厳選し、毎月3000円、5000円と残していくことができました。もちろん、我慢することも多かったですが…。
今の状況から変化したいと思う人は、これなら頑張れる、これのためにこんなふうに頑張るという方法をぜひ見つけてください。そして自分はこうなりたいという強い思いも持ってください。強い思いを持つことができれば、それをかなえるための行動の工夫ができるようになりますし、他の人にはない自己流の節約ややりくり方法を見つけられることもあるのですよ。
今回は少し大まかすぎた話題だったかもしれませんが、多くに利用されるようになった90日貯金プログラムの自己流の甘さを知っていただきたかったですし、カツカツ家計の改善の心構えを知っていただきたかったので、あえてこのような話題にしました。
2012年の締めくくりを目前に控え、ご自分の家計について改めて振り返ってみてください。そして、万人に合うやりくり方法などはなく、あなた自身の最善なやり方を見つけて2013年に臨んでいただけると嬉しいと思います。