二極化する高校の現場
大学もすでに淘汰の時代が始まっているが、高校の現場でも厳しい戦いが始まっている
私が住んでいる兵庫県の教育関係者の間ではA高校、B高校が売りに出ていると言う話が飛び交っている。悪化する経営の当面の資金繰りに広いグラウンドを半分売ってしまった学校も出てきている。入学してくる学生の授業料が主たる収入源であるので、定員を割ることは経営の根幹をも揺るがす問題である。そこで生き残りをかけた熾烈な戦いが始まっている。
進学率Upがポイント
現在の高校受験生の1番の関心はずばり大学進学率である。高校選択の基準は、以前は運動やクラブ活動など多岐にわたっていたが、長引く不況のためか就職率の良い有名難関大学への進学率が高い高校が特に志願者を伸ばしている。また超難関の進学校には無理だが、そこそこのレベルで有名大学の進学率が高い高校への志願率が顕著に増えている。それぞれ実名を揚げるのは差し控えるが、以前無名だった高校を異業種の企業が買い上げ、名前を変えて進学校化するケースも非常に増えている。では新しく進学率を上げて、有名進学校の仲間入りをした学校は既存の学校とどう違うのだろうか。今まで無名だった学校を進学校化する場合には、進学指導が出来る人間を外部から連れてくるしかなく、人材派遣を専門にする会社に頼むか、有名予備校や塾と提携して補習授業という形で通常授業に進学指導を補填するケースが多い。
以前NHKのクローズアップ現代で高校の正規授業を外部の派遣教師に指導させることが問題になっていた。派遣教師が一般クラスを教えているので進学クラスの生徒と差別化が生じているというものである。ところが、そういうケースは実際はまれで、入試のプロが進学指導を放課後するケースがほとんどである。現在私も2、3の高校でそのような補習授業を頼まれている。実際どのようなことをしているのか具体的に解説していきたい。
>> 補習授業の種類にはどのようなものがある?