先天性胆道拡張症とは

胆管拡張症

胆管が拡張した病気で、無症状から腹痛まで症状は様々です

胆道は、肝臓で作られた胆汁を十二指腸に流すための経路です。胆道には、胆嚢と胆管があります。さらに胆管には、膵臓からの膵管が合流します。この胆管が拡張が生まれてから見られる病気が、先天性胆道拡張症です。

徐々に拡張することもあります。原因としては、膵臓から出ている膵管と呼ばれる管と肝臓から出ている胆管と呼ばれる管が合流するのですが、その合流部分の異常で起こります。合流部分の異常のために、食べ物を消化する酵素を含む膵液が胆管に逆流して、胆管が炎症を起こし、胆管の壁が広がって風船のようになってしまいます。

先天性胆道拡張症の症状

胆道が拡張し、時に、胆汁の流れが悪くなったり、膵管に胆汁が逆流して、胆管炎の症状を起こします。以下のような症状が見られますが、無症状のこともあります。
  • 体や目の白めの部分が黄色になる黄疸
  • 便に胆汁が見られず、便が白くなる
  • 胆管拡張による腹痛または膵炎による腹痛
  • 拡張した胆管をお腹のしこりとして触れる
  • 拡張した胆管に石ができる胆石
  • 胆石が胆管に詰まり、より腹痛が悪化
特に、膵炎による腹痛と胆石が胆管に詰まる胆石の陥頓(かんとん)は、かなり激しい腹痛です。尿路結石、胆石など石に伴う痛みは激痛です。

膵炎の場合は、背中も痛くなります。膵臓に含まれる膵液は、消化酵素でタンパク質を消化しますので、膵臓自身を消化してしたり、血液などにある酵素によって、様々な臓器に対して機能を低下させてしまいます。急性膵炎は、早期の治療が望ましいです。

腹部超音波検査はX線検査と違って、放射線被ばくの問題も無いので、腹痛がある時に検査することがあります。先天性胆道拡張症は腹痛の原因の1つとして診断されますから、腹痛を訴えることのできる年齢で発見されます。実際、今まで4例ほど診断しましたが、腹痛の検査として腹部超音波検査を行い、先天性胆道拡張症と診断しております。膵炎を起こしている子どもでは、膵臓が腹部超音波検査で大きく腫れています。さらに、膵炎が疑われる場合は、腹部CT検査を行うこともあります。

無症状の症例もあり、大人になってから発見される場合があります。

先天性胆道拡張症の検査

胆道拡張

MRIによる胆道の検査です。拡張した胆管が3Dで描出できます

先天性胆道拡張症は、腹部超音波検査で、拡張した胆管があれば、診断可能です。原因として、胆管と膵管の合流部分の異常があるかどうかを検査します。

胆道シンチグラフィーは、肝臓から排出される放射線をつけた物質の動きを見る検査で、拡張した胆管が見られます。腹部CT検査でも拡張した胆管が確認できます。

MRIという磁気を使った検査で、磁気共鳴胆管膵管撮影(MR-CP)は時間はかかりますが、痛みの無い検査です。本院でも今まで2例、先天性胆管拡張症があって、検査を行いました。右の写真は先天性胆道拡張症のMR-CPの写真になります。

腹部超音波検査、磁気共鳴胆管膵管撮影で診断可能ですが、以前は、岸和田市民病院在籍中に診察した先天性胆道拡張症の症例では、内視鏡を十二指腸までに入れて、十二指腸にある胆管の入り口にカテーテルを入れて造影剤を入れて胆管を造影する内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)を施行したことがあります。子どもにとっては結構つらい検査になりますので、最近は行っておりません。

先天性胆道拡張症の治療法・術後の経過

膵炎を起こしていることがありますが、膵炎の治療が行われます。絶食にして、膵臓の消化酵素を抑える薬を点滴、内服することになります。

膵炎の治療後に、拡張した胆管に対する治療が行われます。拡張した胆管から約10%胆管がんが発生すると言われていますので、拡張した胆管を切除します。胆嚢がんの発生する可能性から胆嚢も切除します。拡張した胆管と胆嚢も切除し、腸管を胆管代わりにして直接、肝臓の近くの胆管にくっ付ける手術です。無症状であっても、拡張した胆管と胆嚢は切除します。

術後は、比較的良好で、腹痛なく、普通に過ごせることが多いです。
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