銀行・郵便局/銀行口座のしくみと基本

ペイオフで預けたお金が戻る?(2ページ目)

ペイオフとは、銀行の経営がうまくいかず破綻したとき、その銀行に預けていたお金が保険金で支払われることです。限度額があるので、預けていたお金の全額は戻らないケースも。ペイオフの仕組みを紹介します。

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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1000万円を超えている部分はカットされる可能性も

ペイオフ

できれば複数の金融機関に預け分けを

では、保護の対象から外れた200万円はどうなるかというと、破綻した金融機関に残っている財産を確認した上で、そこから払戻しが行われます。銀行に残っている資産が少なければ、預けていた金額から一部をカットされる可能性が。1000万円を超える預金がある人は、できれば別の銀行に分けて預けておきたいものですね。

ここ数年、特に地方銀行で合併やグループ化が進んでいます。当分の間は、金融機関が合併を行った場合、その後の1年間に限っては、保護される預金の範囲は、預金者1人当たり「1000万円×合併に関わった金融機関の数」となります。例えばふたつの銀行が合併した場合は、1000万円×2=2000万円です。

保護の対象にならない外貨預金は、1000万円を超える部分と同じ扱いです。破綻した金融機関の残りの資産に応じた支払いとなり、カットされる可能性があるということです。

借入金は預金と相殺ができる

ちなみに住宅ローンなどの借り入れがある場合は、預金と相殺することもできます。相殺にした方が有利なのは、1000万円以上の預金がある場合。例えば1500万円の預金があり、ローンが500万円残っているとします。相殺しなければ、1000万円を超える500万円は保護の対象になりません。500万円の一部がカットされる可能性があり、ローンも抱えたままです。ところが500万円のローンを預金と相殺すると、ローンが無くなるとともに、残りの1000万円が保護の範囲内となります。自動的に相殺される仕組みではないので、相殺したい場合は申し出て手続きを行います。

この1人1000万円とは別枠で全額が保障される預金があります。決済用預金と呼ばれるものです。決済用預金とは、利息の付かない普通預金や当座預金のこと。残高に関わらず全額が保護の対象。支払いのための預金で、利子が付くことよりも安全性を重視したい場合は、決済用預金を利用する方法もあります。

銀行が破綻したとき、いきなり預金者に保険金が支払われるわけではなく、まずは別の金融機関との合併・事業譲渡などが検討され、そちらの方が優先されます。その場合も、保護される預金の範囲は同じです。引き継いだ金融機関から、保護の範囲内で預金を払戻しすることが可能です。

【関連記事】
「預金の全額を保障する決済用預金とは?」

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