住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

住宅金融公庫が無くなると

特殊法人の改革民営化の対象に住宅金融公庫が挙がっています。住宅を取得する上で、大きな役割をもつ住宅ローン。その中でも公的融資機関の先頭にあげられる住宅金融公庫が廃止となったら、住宅取得にどういう影響があるのか?私たちが取るべき対策も考えていきましょう。

執筆者:平野 秀昭

小泉首相が主導する政府行政改革の一環に、特殊法人の解散・民営化があります。
住宅購入の際、大きな役割を担う 住宅金融公庫 が、その最大の標的となっています。

では、この 住宅金融公庫が解体された場合、住宅購入にどういった影響があるのでしょうか?
民間の金融機関では、対応することができないのでしょうか?

では、まづ住宅融資の側面から銀行と住宅金融公庫の違いを考えてみましょう。

住宅金融公庫は
1.長期の固定金利での融資が行われる。
2.低所得者にもそれなりの融資を行ってもらえる。
3.勤続年数が短い人でも融資を行ってもらえる。
4.一定額以上の所得がある人は、頭金がなくても物件価格の100%融資をしてもらえる。
5.融資対象者の業種や会社の規模による隔たりがない。
6.新築の場合、融資対象物件に対する公庫基準が満たされていないと融資が受けられない為、物件のレベルの一定水準を保つことができる。

ざっと挙げただけでも、これだけの違いがあります。
現在の民間融資では、こういった事項に対応することはできません。

もし住宅金融公庫が無くなったとして、銀行にてこれらの内容を満たす住宅ローンが作られるのでしょうか?

残念ながら、営利を目的とする民間企業である銀行では、NOと言わざるをえないでしょう。
そうすると、低所得者・勤続年数の短い人・中小零細企業の従業員、手持ち資金の少ない人は家を買うことが難しくなってきます。

住宅金融公庫が解体・民営化されるか否か。
もし、存続されるとしても公庫の融資環境は厳しくなりそうです。

1. 融資戸数の圧縮
2. 10割融資を見直し融資率を8割まで引き下げる(評価額の)
3. 特別融資枠の縮小
4. 融資対象の重点化(中低所得者・都市再生等)
5. 民間との協調融資方式の導入

などの住宅金融公庫改革の基本的方向が打ち出されています。

では、私たちはどのように対応すればいいのでしょうか?

極力自己資金を貯め、親等贈与を受けられる場合は受け、手持ち資金を増やしていく。
また、会社の財形融資や地方公共団体の住宅取得を応援する融資など、少しでも有利な融資を選んで利用する。
もしくは、公庫の改革が進む前に早く借りてしまう、というのも、手かも?


住宅金融公庫の廃止・民営化につきましては、「住宅ローン」サイトの中のお勧めサイトリンク集「住宅金融公庫情報」をごらんください。
<住宅金融公庫情報>
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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