住宅の「大敵」は湿気 シロアリ被害にも注意!
湿気がこもりやすいのは住宅には様々な箇所があり、具体的に挙げるなら屋根裏、外壁の中、床下などがあげられます。そうした部分を湿気や水分にさらすことなく、乾燥した状況に保っておくことが、住宅の「健康状態」を良好に保っておくことの秘訣なのです。では、住宅の健康を保つ、乾燥状態を保つためにはどうすればいいのか。それは、通気性を確保することが重要です。外壁の通気性を例にイメージしてみましょう。外壁の中が密封状態だと、その中に湿気がこもって逃げ場がなくなり、それが腐食、シロアリ被害、構造体の劣化につながります。
そうならないよう、近年は外壁の中の通気性を確保する工夫を施すことが多くなりました。外壁の中に通気層があることで、中の空気が流れ建物の外部に排出される仕組みなのです。住宅をよく見てみると、色々な場所に空気の出口があり、そこから空気を排出する仕組みとなっています。
最近ですと、暖かい空気が自然に上へ上っていくという性質を利用し、空気を屋根から排出するシステムを採用しているハウスメーカーもあります。さらに近年は24時間換気が義務付けられていますが、それも内部の湿った空気を建物内部に滞留させないための配慮です。
このほか、床下の換気も大切。まず、床下空間に湿気を通さないための防水処理を施す基礎工事が必要であり、その上で換気口を設けることも大切になります。基礎と建物の間に「パッキン」という通気を可能とする素材を入れることで対応しているケースも最近では増えてきました。
このようなことは、モデルハウスや見学会などで確認することができますので、是非注意して確認していただきたいところ。もちろん、そこまでしっかりと説明してくれるのなら、その依頼先候補は良心的だといえます。
住宅を長持ちさせるには点検とメンテナンスが大切
ところで、いくら施工が完璧でも、建築後の点検をしなければ充分とはいえません。もしかしたら、何らかの問題が発生しているかもしれないからです。住宅の耐久性を維持していくのは点検を行い、メンテナンスをしっかりと続けていくのが大切です。かつての住宅の耐久性が低かったのは、この点検とメンテナンスがしっかりと行われてこなかったからです。しっかりと点検、メンテナンスが行われている建物だったら、工法や材料の種類を問わず、60年どころか数百年も残るはず。日本の場合だったら奈良の法隆寺のような事例があるように。
近年では会社の規模にかかわらず、長期の保証制度や点検制度を整備していますが、完成宅を見学しそれらの実態についても確認することを強くお勧めします。また、そうした制度を維持するための企業の永続性にも着目すべき。
60年の点検・メンテナンス制度があったとしても、その会社が10年後に倒産してしまえば元も子もありませんからね。そうした点も住宅の耐久性について考えておく必要があると思います。
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