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〈ビギナー向け〉 住まいの耐久性に関する基礎知識

住宅の耐久性は、長持ちする住宅を建てる重要なテーマです。この記事では、構造体に使われる素材ごとの注意点や、建物全体の健康状態を維持するための仕組みなどを解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

今回のテーマは住宅の耐久性。日本の住宅は従来まで20~30年程度で建て替えられてきましたが、現在では60年程度を目安とする、長く住み続けられる性能が住宅に求められる時代となっています。では、私たちは住宅の耐久性についてどんなことを知っていればいいのでしょうか。耐震性や省エネ性とも関わりの深い事項ですので、ここでその概要を理解しておきましょう。

構造体ごとの耐久性についてのチェックポイント

構造体として使用される素材ごとのポイントを確認しておきましょう。
・木材
水分や湿気に強い材料を使う、乾燥の度合い、防蟻処理が充分か
・鉄骨
防サビ加工が充分に行われているか
・コンクリート
養生期間が充分とられているか、塩分が含まれている砂利が使われていないか、クラック(ひび割れ)が存在しないか

木材

木材の強度や品質、精度は乾燥の度合いで異なってくる。しっかりと乾燥された木材を使うのか、ハウスメーカーや工務店などに確認されたい

木材は種類のよってシロアリの被害が異なります。ヒノキなどの木材は湿度に強く、だからこそお風呂の材料に使われるのです。ただ、ヒノキなどの木材は高額なのが一般的。そのため、スギなどの木材が構造体に広く使用されるのですが、注意したいのが乾燥状態です。

昔は、住宅用の木材は1年ほどの時間をかけて乾燥させていました。そうすると、住宅の構造体として活用しても、反りや割れが出にくくなるなど品質が安定したためです。しかし、近年はコストの問題などがありそんなに悠長なこともいっていられませんから、専用の乾燥機を使って乾燥させることが普通です。

で、この乾燥が充分でないと割れやヒビが発生し住宅の耐久性に負の影響を与えてしまいます。ですから、木造住宅を建てたいと考えている方は、是非、この木材の乾燥のことを詳しく確認してみてください。このことに関してしっかりと説明してくれる依頼先なら、信頼度は高いと考えられます。

鉄骨材は木材と比べて品質や性能、精度を確保しやすい素材といえます。しかし、ご存じのようにその耐久性を損なうのはサビの発生です。そのため、住宅の構造材として加工する際には防サビの処理が大切になります。

処理の種類は様々ですが亜鉛メッキ処理を行うのが一般的となっています。こちらはハウスメーカーなどの工場に行けば防サビ加工の様子が確認できますから、是非、工場見学会には参加してみてください。

コンクリートも劣化する! その理由とは?

コンクリート

住宅の基礎工事の様子。基礎をかたちづくるコンクリートの強度は、住宅の強度全体に影響を及ぼす。防水や断熱施工も含めしっかりと施工を行う依頼先を選びたい(クリックすると拡大します)

コンクリートは、住宅だけでなく様々な建築物、構造物に使われています。しかし、こちらも腐食は避けられません。よくトンネルなどで、構造物の一部がはがれ落ち、事故が発生したなどというニュースを聞きますが、これはコンクリートの強度が劣化した結果によるです。

コンクリートはアルカリ性。要するに水分の中の酸性の物質と反応して中性化するのです。それによりもろくなった部分から水分が内部に浸透し、内部の鉄筋がさび付き、それも強度を低下させる原因の一つとなります。

このほか、コンクリートを生成する際、砂利を使うのですが、その砂利に塩分が多く含まれている場合は、さらに劣化を加速してしまいます。昔は川砂利を使うのが一般的だったのですが、最近はコストの関係もあり海砂利を使うケースも増え、塩分の洗浄が不十分なケースもないわけではないのです。

また、コンクリートを養生する(固める)期間が短いと、クラックが発生する要因ともなります。つまりそこから、雨水が進入し、内部の劣化につながるというわけです。コンクリートは住宅の基礎にも使われる素材ですから、そのあたりもしっかりとチェックしたいものです。

いずれにせよ、住宅にとって湿気や水分は大敵ということ。次のページでさらに住宅全体について耐久性のポイントをみていきます。
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