また、土壌汚染が最近取り上げられるようになったのは、不動産価格の低下により、海外資本が日本の不動産を購入しているというのも大きな原因でしょう。
海外では、土地の評価として汚染があるかどうかというのも大きな評価基準となります。
汚染浄化の費用を所有者が負担しなければならないため、その分、土地価格が減価されるというのです。
また、浄化がなされたとしてもイメージ的に土地利用に一定の制約がかかってしまうということもあるようです。
しかし、従来の日本の不動産取引においては、土壌汚染を調査する習慣も義務もなく、外国の企業としては、怖くて購入に踏み切れないというのが現状としてあります。
そういう取引環境が、土壌汚染状態の調査が必要となる素地となっているようです。
日本の土壌汚染について、行政の対応はどうなっているのでしょうか?
現在では、水質汚濁防止法や廃棄物処理法などの法律を断片的に運用するか、法的拘束力のない告示や指針にとどまり、市街地の土地の汚染問題を解決する法律は存在しません。
しかし、土壌汚染についての法的整備の方向も打ち出されていますので、みなさんがお持ちの土地や購入予定の土地について、土壌汚染があるかどうかも調べておく必要が出てくるかもしれません。
土地が汚染されているかどうかの目安として、土地の利用履歴を調べる事です。
過去に工場の敷地として利用されていた土地の場合は、汚染されている可能性が高いです。
農地などの場合は、その可能性は低いでしょうが、周辺に工場がある場合は、地下水などを通じての汚染も考えられます。
諸外国の土壌汚染に対する法律は、汚染の原因者・管理者・所有者に汚染浄化の義務が課せられるものが多くあります。
日本でも、浄化の義務づけがなされるのは確実でしょう。
そうなると、汚染を知らずに買った土地が、購入価格より浄化費用の方がかかったなんて、笑うに笑えない事態にならないとも限りません。
多少調査費用はかかりますが、これから土地を購入される場合は、土壌汚染についても調査してから購入するようにしてはどうでしょうか?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。