前回は路線価と他の評価額の違い等の概略をご紹介しました。
今回は、路線価の計算方法を具体的にみていきたいと思います。
1.奥行き補正
道路に面する部分が一方の場合、道路からあまり離れると利用効率が悪くなりますので、土地の奥行きが長いほど(道路から離れるほど)評価は減価されます。
また、奥行きがあまりにも少ない場合も、利用しづらいので、これも減価となります。
補正の係数は、奥行きの長さを奥行価格補正率表に照らし合わせて計算します。
例)300千円(路線価)×0.95(奥行き補正)×100平米(面積)=2850万円
2.側方路線影響加算
評価地が角地や準角地(片方の道路が行き止まりになっている)の場合、2方の道路に面している訳ですから、それだけ利便性が高いと考えられます。
したがって、それだけ評価を加算しようというものです。
計算は、
正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
正面路線とは、原則として、奥行価格補正後の金額の高い方の路線を言います。
地区区分別に側方路線影響加算率表により、加算率が決められています。
例)300千円×0.95+200千円×0.95×0.05=294500円(補正後の単価)
3.二方路線影響加算
評価地が正面道路と裏面道路の二方に面している場合、それだけ利便性がいいと考えられます。したがって、その分評価を加算しようというものです。
計算は、
正面路線価×奥行き補正+裏面路線価×奥行き補正×二方路線影響加算率
地区区分別に二方路線影響加算率表により、加算率が決められています。
例)300千円(正面)×0.95+200千円(裏面)×0.95×0.05=294500円(補正後の単価)
4.三方路線影響加算
評価地が、正面路線と裏面路線と側方路線の三方に面している場合、二方路線よりさらに利便性が高いと考えられます。したがって、その分評価を加算しようというものです。
計算は、
正面路線価×奥行き補正+裏面路線価×奥行き補正×二方路線影響加算率+側方路線価×側面補正
例)300千円(正面)×1.00+200千円(裏面)×1.00×0.03+30千円(側方)×1.00×0.05=307500円(補正後の単価)
また裏面路線がなく、二方の側方路線がある場合には、それぞれの側方路線影響加算をした価格を正面路線に奥行き補正した額に加算します。
例)300千円(正面)×1.00+200千円(側方)×1.00×0.05+150千円(側方)×1.00×0.05=317500円(補正後の単価)