パパが子育てのやる気をなくすママのひと言とは
パパが子育てのやる気をなくすママのひと言
<目次>
「オレだってがんばってるのに……」 恐怖の連続ダメ出しパターン
パパはパパなりにできることをしているつもり。でもママの評価はそれ以上に厳しいパターン。- オムツ替え、ほ乳瓶の洗い方、ミルクの作り方、お風呂の入れ方、すべてでやり直しをくらった。(30代 1歳♀のパパ)
- 「言われたとおりにばっかりしてないで、少しは自分で考えてやってよ」(30代 生後6ヶ月♀のパパ)
- 子供を連れて外出したあと、「もう帰ってきたの?本当に役に立たないわね」(30代 1歳♀のパパ)
- 母乳の授乳中、何か必要なことがあればすぐに対応しようと思って側にいたのに「突っ立ってないで何かやることあるんじゃない!?」とキレられた。(30代 5歳♂、1歳♀のパパ)
- 「子供がパパをナメている」と指摘された。(30代 5歳♀のパパ)
- 妻の息抜きにと思って留守番を買って出て、子供の入浴や食事の世話などをしたが、帰宅後に家が散らかっているのを見た妻から「余計大変になった」と言われた。(30代 1歳♀のパパ)
子どももパパもほめて伸ばす!
育児のスキルで言ったら、パパがママにかなうわけがありません。そのパパをつかまえてダメ出しするのは、ベテランの大工さんが新米をいびっているのと同じこと。 この場合、ママは自分の基準にパパを当てはめて考えて、合格、不合格という結果だけで判断してしまっています。パパは努力した部分だけでも認めてほしいのに、です。あるいはママは、パパにダメ出しすることをストレスのはけ口にしているのかもしれませんね。それではパパがやる気を無くすのももちろんです。 パパに対してちっぽけな優越感を覚えたいがために、パパのやる気をそいでしまっては結局自分が損します。パパも子供もほめれば伸びます。
ママへのお願い……
できない部分を見るのではなく、できている部分に感謝し、ほめるようにすればやる気が湧いてきて、パパが育ちます。 「え~、タダでさえ子育てで大変なのにパパまで育てるの~?」という不満の声が聞こえてきそうですが、 ダメなパパがダメなままでいるよりも少しでも成長してくれたほうが自分のためですよね。パパにとって大変都合のいいお願いかもしれませんが…。
パパへのアドバイス……
「ここまでやってるのに!」と言いたくなっても、そこはガマン。ちょっとやっただけで、やった気になるのは、根底に「何もしないのが当たり前、オレは少しだってやっているから偉い」という考えがある証拠。その思い上がりにママはカチンとくるのです。育児は参加するだけでは意義はありません。結果を出すことがすべてです。「何をどうすればいいのか教えて?」、「やるべきことがあったら言ってね」とダメな自分をさらけ出す勇気を持つことも必要です。
「オレだって大変なのに…」 へとへと夫婦のお疲れ張り合いパターン
ママは育児疲れ、パパは仕事疲れで、どっちが疲れているのかを張り合っている疲れ自慢状態。- 「週末くらい子供の世話しなさいよ」と叱られる。(30代 5歳♀、0歳♀のパパ)
- 「なんで私だけに負担がくるの!」と言われてしまう。(30代 5歳♂、3歳♂のパパ)
- 「私ばかりが苦労している」と言われるが、それは違うだろと思う。(30代 4歳♂、1歳♂のパパ)
- 深夜に仕事から帰宅して「何も手伝ってくれない」と言われたとき。こちらも疲れてまんねん。(30代 0歳♂のパパ)
- 「私にはぜんぜん自分の時間なんてないのに」とあたかもパパには自分の時間があるように言われる。(30代 6歳♂、3歳♀のパパ)
お疲れ度のアピール試合は泥沼化するだけ
きっとママはいっぱいいっぱいで、「どうして私だけがこんなに大変な思いをしなきゃいけないの!あなたも何か手伝いなさいよ!」という気持ちになってしまっていますね。パパはパパで、外で大変な思いをしても、家の中では明るく振る舞おうとしているのに、それを理解してもらえない悲しさにさいなまれます。あまりくどくど言われると、「それなら、家の中に仕事のイライラを持ち込んでやろうか!」と思いたくもなってしまうのです。 しかし、「オレのほうが!」、「ワタシのほうが!」の言い合いは確実に泥沼化し、夫婦関係を悪化させます。
ママへのお願い……
毎日大変ですよね。でも、そんなときこそパパを責めるのではなく、「パパって、あらためて見るとやっぱりカッコいいわね」「パパのおかげよ」などと褒めてあげたり、「これやってくれるとうれしいな」などと甘えてあげたりしてください。お世辞であることが見え見えであったとしても、パパは冷静さを取り戻します。すると、負の連鎖が断ち切れ、良い方向へ回転しはじめるものです。
パパへのアドバイス……
カチン!ときたら、一息おいて「オレも疲れているけど、ママのほうが大変そうだよね」と先に思いやってしまいましょう。すると、ママのファイティングポーズもゆるみ、泥仕合を避けることができます。先に思いやってしまったもの勝ちです。なかなか本心では言えないかもしれませんが、こんなときこそ口先が役立ちます。そのうえで、できることだけでも「オレがやろうか?」とやる気を見せるとなお良いでしょう。
「オレなりの考えがあるのに……」 主体的パパとママの対決パターン
パパも主体的に育児するがゆえに、夫婦間で子育てに対する価値観のズレが露呈したパターン。- たまの休みに、子供と二人で出かけて楽しんで帰ってきたら「あなたは結局、家のことはほったらかしで何も手伝ってくれない」と怒られたとき。限られた時間の中では、家事よりも子供と遊ぶほうが大事な気がするけど。(30代 2歳♂のパパ)
- 子供と外出してママの一人の時間を作ったつもりが「なんでこんなにどろんこなの!」「外で何を食べさせたの?」「ジュース飲ませたでしょ」など、帰宅後責められる。(30代 5歳♂、2歳♀のパパ)
- 自分が子供にやらせたことを「まだ早い」と否定された。(30代 5歳♂のパパ)
- 子供が叱られすぎと感じたので、子供をかばうようにすると「あなたが甘いからこうなったんでしょ」と責任を押しつけてきた。(30代 6歳♂、3歳♀パパ)
- 子供に対する意見のズレを話し合っていると、「結局あなたの勝ちですか」と会話を打ち切る。(30代 3歳♀のパパ)
- 口論の途中、「もうわかりました!」と話を突然打ち切る。本当はわかっていないのに。(30代 5歳♂のパパ)
夫婦の意見がズレているほうが子どもに好都合
夫婦の間で価値観を統一する必要なんてないことは頭ではわかっているはずなのに、いつの間にか「相手をやりこめたい」気持ちに囚われてしまっている状況ですね。また、どちらかが一歩いいて、うわべだけ相手に合わせるというのも、精神的に非常に不健康です。結局そのストレスが別の部分で表れて、さらにややこしいことになるので、やめましょう。
パパとママの意見がズレているから子供が混乱するなどということはありません。そうやって、人それぞれ違う意見を持っていることを学ぶのです。育児においては、できるだけ多用な世界観、価値観に触れさせることが重要です。パパとママの意見が違うことは子供にとってはむしろ好都合なのです。
ママへのお願い……
ママが育児の主役であることは事実ですが、パパを家来のように、ひれ伏せさせようとしないでください。パパという別の人間が別の考え方を子供に注入してくれていることをありがたく思わないと、お互いのいいところに気付くチャンスを逃してしまいます。自分の言うことが半分でも認められればいいほうだと受け止めるようにしましょう。
パパへのアドバイス……
「ああそうか、オレはいいと思ってたけど、ママはダメって考えなんだね。それはわかった」とママの考えを認めた上で、お互いの考えを尊重しようということを伝えましょう。また逆に、ママの育児姿勢が気になってついつい口を出したくなるパパは、「夫婦でも考え方が違うのは当たり前。自分が正しいとは限らない」と思う謙虚さを忘れていないかよく考えてみましょう。自分が100%正しいと思っていてもたいてい半分くらいは間違っているものです。
- 真冬に授乳している妻に肩越しに服を掛けて上げたら、「触らないで!」といわれた。(30代 1歳♀のパパ)
- 夜中の母乳は大変そうなので、粉ミルクに変えたらと言ったら「うるさい!」と言われた。(30代 1歳♀のパパ)
- 帰ってくるのがのが「遅い」、「早い」。 どっちにしても文句を言われる。(30代 1歳♂のパパ)
- 「私の稼ぎだけでも十分食べていけます」(30代 1歳♂のパパ)
- 「大変だったね」「ありがとう」と言うと「別に」「あたりまえ」と軽く受け流すのに何かで衝突すると「あなたは何もねぎらってくれない。認めてくれない」と言う。(30代 6歳♂、3歳♀のパパ)
- 「大変だったら大変と言いなよ」「つらかったらつらいと言いなよ」と言っているのに、「私は弱音を吐くのは好きじゃない」と突っ張っている。言ってくれたほうがこちらはラクなのに。(30代 2歳♀のパパ)
八つ当たりは、パパだけが受け止められるママからのSOS
八つ当たりは台風みたいなものです。台風に対して「なんでそんなに風が強いんだ」と文句をいってもしょうがありません。勢力が弱まるのをじっと待つしかありません。 八つ当たりと思うと腹が立ちますが、原因はママではなく、ストレスです。ママが八つ当たりしているのではなく、「育児疲れ」という名の悪魔がママに取り憑いて暴れていると考えると良いでしょう。そこにいるのは本来のママではないのです。あからさまな八つ当たりは、ストレスが限界に来ているママからのSOS。どんなことをしても近くにいてくれるパパだからこそ発信できるSOSなのです。SOSを受け取ったパパとしては、なるべく早く「育児疲れ」という悪魔をママの体内から追い出したいところ。ま、過ぎ去るのを待つしかない場合もありますが……。
ママへのお願い……
ママ自身が理不尽なことをしていると自覚している場合はまだましです。「育児疲れ」に完全に取り憑かれる前に、イヤなこと、困ったことを素直にパパに打ち明けましょう。「ひどいことを言ってしまった」と自己嫌悪に陥っている場合ではありません。「パパも疲れているから」なんて気遣いをしてストレスをため込むことで、余計にパパへの負担を重くしていることもあります。
パパへのアドバイス……
中途半端に「ゴメン、ゴメン」と言っていればいいわけではありませんが、「八つ当たりはいけないよ!」などと正論を振りかざすのは意味がありません。早くもとのママを取り戻すには、オレだってヘコむよ…と感情に訴えかけるほうが効果的。ママが落ち着いたすきに、どうやったらママが「育児疲れ」から開放されるのか、具体的な方法を一緒に考えるようにしましょう。「ボクにできることがあればなんでも言ってね」という姿勢を見せるだけで、「育児疲れ」という台風は勢力を弱めるものです。
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