外国株/BRICSとその他の国の株

東南アジアの優良企業に手軽に投資する方法(2ページ目)

東南アジアの経済・株式市場が好調ですが、そこで注目したいのが香港に上場している第一太平(00142)です。同社は東南アジアの有望企業に投資をしている企業です。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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東南アジアの電信、インフラ、食品、天然資源に集中投資

東南アジアの電信、インフラ、食品、天然資源に集中投資

東南アジアの電信、インフラ、食品、天然資源に集中投資

投資家である第一太平の投資理念は、まず前述の4分野(電信、インフラ、食品、天然資源)に絞って投資先を選定することにあります。地域は香港や台湾などではなく、将来成長が期待できる発展途上の地域(東南アジア)とします。そして、それぞれの業界におけるトップランクの企業に投資する方針です。また、投資先企業には将来的に特に強いキャッシュフロー創出が期待できるものを狙っていきます。そして数%の投資比率でなく、25%から時には50%を超える出資で経営に対する影響力を持つことをポリシーとしている投資会社です。

株価は目立った極端な動きはありませんが、長期的な上昇が続いています。最高値は今年2月の9.52HKDであり、現在も8HKD台前半にあります。10年間の株価上昇率は年率平均30%となっています。

主力投資会社の内容確認

ここで、同社が投資をしている企業を簡単に見て行きたいと思います。

・PLDT(通信、出資比率25.6%)
Philippin Long Distance Telephone Company(PLDT)はフィリピン最大の電信会社であり、マニラと米国に上場します。第一太平の持つ資産の中でも同社の株式が最大を占め、同時に最大の利益をもたらしています。2011年、PLDTはフィリピン3位の通信会社Digtialを買収し、市場シェアを強化し、ブロードバンドユーザー数を90万増の290万人にまで拡大しました。携帯電話部門の収益が最も大きく利益率も高くなります。あと固定電話とブロードバンド回線の収益があります。全体に売上の伸びは緩やかになっていますが、今後は4G通信網への投資を強化します。

・MPTC(インフラ、59.1%)
Metro Pacific Investments Corp(MPTC)はフィリピン最大のインフラ建設投資会社で、有料道路、ヘルスケア(病院)、電気、水道事業を行う各企業を持ちます。マニラに上場しています。2011年7月に約20億米ドルを調達しており、今後フィリピンの新しいインフラ建設プロジェクトに投資する計画です。さらに同社は新設道路の建設、有料道路資産の買収を通じ、有料道路網を拡大する計画です。水道事業は無料水道水の使用量比率を54%から48%にまで低下し、有料水道水の比率を増やしています。電力業務では、発電事業に参与する計画で、電力の小売り業務を準備しています。まだ業績への貢献の少ないヘルスケア部門では、フィリピンの病院買収を続け、合計で3000ベッドの入院施設を目標にしています。全体的に売上の拡大が続いています。

・Indofood(食品、50.1%)
Indofoodは最大のカップ麺企業であるほか、スナック菓子、乳製品、食用油なども製造しています。第一太平にとって2番目に大きな投資先です。また2011年にパーム栽培園の面積を6%増やすなど農業ビジネスも行います。売上高の成長はすでに緩やかで、2008年以降あまり伸びがみられません。ただ利益率に改善傾向がみられます。今年は時間あたり40トン生産できるパーム油の工場を2つ建設する予定です。

・Philex(天然資源、31.3%)
Philexはフィリピン最大の金・銅鉱会社としてマニラに上場し、1958年からPadcalという鉱山の運営を続ける古い会社です。昨年は資源価格高により、過去最高の売上高と利益を記録しました。鉱山の他にも多くはありませんが、石油と天然ガスの生産も行っています。2011年6月20日時点の採掘可能な鉱石備蓄量は8560万トンです。Philexbは保有鉱山の採鉱許可期間を2020年末まで延長し、さらに買収によって権益拡大を目指します。今年上半期は金属価格の調整により、すでに34%の減益となったことを発表しています。

次のページでは第一太平への投資を考えるにあたってポイントをまとめました!
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