映画/秋の夜長にオススメしたい映画

チャールズ・チャップリン製作映画「巴里の女性」

チャールズ・チャップリンの製作の映画「巴里の女性」は、主人公を演じたエドナ・パーヴィアンスに捧げられたものとされている作品です。秋の夜長におすすめです。

投稿記事

秋の夜長にオススメな映画『巴里の女性(A woman of Paris)』

■ストーリー・主なキャスト:
主人公マリー(エドナ・パーヴィアンス)には婚約者ジャン(カール・ミラー)がいたが、ジャン側の事情で、一緒にパリで結婚する約束が反故になってしまう。マリーは独りパリへ行き、のちに富豪のピエール(アドルフ・マンデュー)の愛人として豪奢な生活を送るが、ある日偶然にジャンに再会する……。

■オススメの理由:
チャールズ・チャップリンの製作の映画です。1923年。

チャップリンと言えば、彼自身が主演、製作、音楽までこなし、代表作にはいろいろありますが、初期の短編にせよ、中期『犬の生活』『キッド』『街の灯』等にせよ、また『黄金狂時代』等のシニカルな作品たちにせよ、必ず彼が主演、放浪者やホームレスの役柄で、といったものがほぼ全部です。

しかし、本作だけは違っています(後期のアメリカ亡命後の作品は除く)。

チャップリンの映画には必ずパートナーとなる女性が登場しますが、エドナ・パーヴィアンスもそのひとりです。本作は彼女に捧げられたものとされています。実際、興行収入はすべて彼女に渡ったとも。

エドナはチャップリンのパートナー役として、それまでの作品でも精彩を放っていましたが、チャップリンは、彼女がひとりでも充分に魅力をもつ役者なのだというのを、世間に認知させたかったようです。

タイトルに挙げた「Sophisticated」は「洗練された」という意味です。当時、ライターとか評論家の人たちが、本作を観て発した言葉がこれだったそうです。

エドナが出演した最後のチャップリン作品であり、チャップリン自身の彼女への想いと、劇中で展開される愛憎と、どこか重なって見えます。

秋の夜長には、そんなセンチメンタリズムが合うかもしれない、と思って挙げてみました。今年2012年のアカデミー賞で、サイレント映画『アーティスト』がオスカーを穫りましたが、そういう意味でも、もしチャップリンの映画をあまり観ていないというのであれば、予習にもいいかなと考えました。

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