カロテノイドは、色の素
サーモンは、海藻を食べたエビを餌とすることで身が紅くなります。
ほとんどのカロテノイドは黄色ですが、黄色のカロテノイドが高濃度に蓄積することで橙色になる場合もあり、β-カロテンやリコペンのように橙色や赤色のカロテノイドもあります。
植物や微生物はカロテノイドを生産できますが、動物はカロテノイドを生合成できないので、鮭の身が紅いように、餌料中のカロテノイドを吸収・代謝して蓄積します。
これまでに700種類以上のカロテノイドが自然界で見つかっているそうです。大きく分けて、炭素と水素のみでできているものはカロテン類、酸素などを含むキサントフィル類に分けられます。
カロテン類の代表的なものとしては、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、ζ-カロテン、リコピンなどがあります。キサントフィル類の代表的なものとしては、ルテインやアスタキサンチン、β-クリプトキサンチンなどがあります。
カロテノイドを多く含む食品は緑黄色野菜やマンゴー、柿、すいかなどの果物のほか、とうもろこし、赤唐辛子、わかめやひじきなど海藻類、えび、かになどの甲殻類、いくら、鮭、鯛、卵黄などがあります(表参照)。
ちなみにカロテンは、昔はカロチンとも言われていたのを覚えていますか? カロチンはドイツ語「Carotin」、カロテンは英語「Carotene」で、どちらも「Carrot+Polyene」の合成語。Carrotは、最初に発見されたニンジンに由来しています。また「Poly」は多い、「ene」は二重結合を意味します。五訂日本食品標準成分表で表記が「カロチン」から「カロテン」に変更された後、カロテンと表記されることが多くなったようです。