これまでとは全く異なるライドテイストに
清々しく風光明媚な晩夏のドイツはライン川に沿って、高性能なクロスオーバー、JCWに試乗した。注目のポイントは、やはりパワートレインだ。現行型ミニと同様、JCW用ユニットもようやくバルブトロニック付きとなった。そのチューニングは最高出力218hp/最大トルク280Nm(オーバーブースト時には300Nm)、と強烈。しかも、日本市場にとっては待望というべき、6AT仕様も選べるようになった。この新型パワートレインは、他のミニJCWモデルにも順次、搭載される。
スパルタンなJCWにトルコンAT仕様もないだろうに、と思うのは、筆者のように頭の古くて堅いカーマニアだけ、かもしれない。
ノーマルとの差異を控えめながらもきっちりアピールしたエアロパーツ、10mmローダウンされた専用チューンドサスペンション、スパルタンな見栄えのアロイホイールに赤キャリパーのブレーキ、などなど、仕立ての手順そのものはこれまでのJCW化の文法に則ったもの、だったけれども。
試乗前にアシ回りの担当者が力説していたのは、「(ノーマルモデルとクロスオーバーとでは)ターゲット層が明確に異なっているので、JCWのライドテイストも、これまでのミニベースとは、まったく違うものにした」、ということだった。これは、クロスオーバーというクルマそのものの好き嫌いは別にして、たいへん興味をひく話だ。