人気爆発のセレナS-HYBRID
今年8月、セレナに加わったハイブリッド「セレナS-HYBRID」の受注が非常に好調だ。発売約1か月を過ぎた9月2日時点で受注は1万2572台、セレナ全体では1万3922台だというから90%以上がこのセレナハイブリッドということになる。
「セレナS-HYBRID」は、従来から採用しているエネルギー回生の発電量と出力を高めて、蓄電容量も高めるサブバッテリーをボンネット下に追加したシンプルな機構を採用する。
減速時に発生したエネルギーを電気に変換してアイドリングストップはするが、モーターのみのEV走行はできないが、貯めた電気を発進時や加速時などのエンジンアシストにも活用するから実際の走りはかなりスムーズだ。モーターのパワーは2.4PSとわずかだが、トルクは53.6Nmとエンジンの最大トルクの約1/4にも匹敵するから効果は絶大で、スタートダッシュの良さに感心させられる。この加速性能の良さだけでもハイブリッドの恩恵を実感できるはずだ。
先進的なエクステリアを用意
エクステリアを見ていくと、ハイブリッド専用のフロントグリルやエアロバンパー、エンブレムなどが目を惹く。ヘッドランプにはブルーインナーレンズを、リヤコンビランプには高輝度LEDを採用し、先進的な印象を与える仕掛けも施されている。一方のインテリアはメーターに専用表示を加えた程度で大きな差はない。なお、走行時にアクセルから足を離すとメーターに「HYBRID」のロゴが点灯し、エネルギー回生していることが分かる。
ミニバンの中でもとくに空間効率の高さが重視される5ナンバーBOX型ミニバン(基本的なサイズとして)で、ハイブリッド化したからといって狭くなったり、使い勝手が悪くなったりしてしまったら存在意義も薄れてしまうが、セレナハイブリッドは心配ご無用。ガソリン車同様に最大8人が座れるスペースと実用性を確保し、三世代6人家族でのロングドライブもこなせる広さは健在。サードシートの格納方法やラゲッジアンダーボックスなどの使い勝手もガソリン車と同じだ。
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