芝生の定義と大分類
芝生はグランドカバープランツの代表格
芝生に用いられる芝草のほとんどがイネ科植物で、その特性から暖地型芝草(夏芝)と寒地型芝草(冬芝)とに大別されます。また、日本在来の芝を「日本芝」、欧米などから入ってきた芝を「西洋芝」と呼んで区別していることもあります。
※グランドカバーについては、ガイド記事「グランドカバーを使いこなそう」をご参照下さい。
暖地型芝草(夏芝)の特徴と種類
暖地型芝草は耐暑性があり、日本の夏の気候にも耐えられます。ただし耐寒性は弱く、日本では、沖縄など一部の地域を除き冬は休眠し地上部の葉は変色してしまうので、暖かい地方に向いています。■シバ、ノシバ(野芝・Zoysia japonica)
北海道北部を除く日本全土に自生していたもので、丈夫で他の暖地型芝に比べ耐寒性もありますが、葉の幅が広く触感も硬いです。見た目も荒い感じがします。
手間は掛からない方なので、法面の土留めや緑地、ゴルフ場のラフなどに用いられます。
■コウライシバ(高麗芝)
暖地型は、冬には葉が枯れ色に
ホームセンター等で手軽に入手でき扱いやすいので、家庭用、観賞用のほか、ゴルフ場やサッカー場などにも用いらます。
ヒメコウライは葉が細い分、緻密で美しい芝生になりますが、その分手入れも必要になります。ビロードシバは最も繊細な芝ですが、寒さや踏圧に弱いため植栽地域は暖地に限られ観賞用の小規模庭園など使い方も限られます。なお本来のコウライシバ、「本コウライシバ(Zoysia tenuifolia)」とは別種になります。
■ギョウギシバ(行儀芝・Cynodon dactylon)=バミューダグラス
耐寒性はコウライシバより劣るため、関東以西の暖地に適します。乾燥や踏圧に強く耐潮性があり、密度の高い芝生になります。改良種としてティフトン系の芝があり、公園、運動場などに用いられます。
■セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum)
和名はイヌシバ。耐暑・耐陰・耐潮性、踏圧には強いですが、霜で枯れてしまうので関東以西の暖地に適しています。葉幅は広く、※アレロパシー作用により雑草が生えにくいのが特徴です。公園、緑地などに用いられます。
※アレロパシー(他感作用・Allelopathy)とは、植物が他の生物に対し生長を阻害、または促進させるような物質を出すこと。
■センチピードグラス(Eremochloa ophiuroides)
和名はムカデシバ。関東以西の暖地に適します。セントオーガスチングラス同様にアレロパシー作用があり、雑草を阻害します。公園、緑地、法面などに用いられます。改良種として、ティフ・ブレアがあります。
実際に家庭で暖地型芝を楽しむ場合は、コウライシバ(コウシュンシバ)やヒメコウライを使うのが一般的です。
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