国と地震保険の損害認定は違う?
地震などの自然災害による被災では、自治体から「被災者生活再建支援金」の支払いを受けられることもあります
それとは別に、居住する自治体から「被災者生活再建支援金」の支払いを受けられることもあります。この支援金を受けるにあたり、必要となる書類が「り災証明書」で、これは住居の被災の程度を示す書類です。そして、この書類を作成する際に行われるのが、自治体による住家の被害認定です。
結論から申し上げますと、損害保険会社による損害認定と自治体による被害認定の内容は同じではありません。両者の認定基準が異なるため、損害保険会社で半損と認定された損害でも、自治体による認定では全壊と認定されることがありえます。どこが違うのか、ざっくり見ていきましょう。
被災者生活再建支援金を決める「り災証明書」の被害認定基準
自治体の被害認定は、内閣府により定められた「災害に係る住家の被害認定基準運用方針」に定められた内容に基づいて行われます。運用指針において判定される住宅の被害の程度は「全壊」「大規模半壊」「半壊」そして「半損に至らない」の4区分で、具体的な認定基準は以下のようになっています。第一次調査は外観目視で被害を判定
さて、こうした判定をするために、運用方針では、「地震による被害」「水害による被害」「風害による被害」ごとに、「木造・プレハブ住宅」「非木造」それぞれについて、被害認定フローおよび調査・判定方法が具体的に定められています。例えば、地震による被害(木造・プレハブ)の被害認定フローは以下の通りです。まずは、外観目視で判定する第一次調査が行われ、その後被災者から申請があった場合に、外観目視調査および内部立ち入り調査を行う第二次調査により被害が判定されます。その後、被災者から不服申し立てがあった場合、再調査が行われることもあります。
■被害認定フロー(地震による被害 木造・プレハブ)
第一次調査において、一見して住宅の全部分が倒壊しているなどの場合では、それだけで判定がなされます。傾きによる被害については、外壁または柱の傾斜を下げ振り等により測定して判定が行われます。あるいは「屋根・壁・基礎」の各部位の損傷率(各部位の被害の程度)を確認して、被害を判定する場合もあります。
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