建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

木の香りが全体を包む小林真人さんの意欲的な住宅建築 小林真人(2ページ目)

中野の商店街から細い路地を抜け、住宅地を行くとその家はあります。シナ材をふんだんに使った小林真人さんの意欲作は、ほとんど素材そのままのシンプルな造りながらも、自由に使えるマルチルームや思いっきり外気を取り込める解放的なリビングが楽しい一軒でした。

執筆者:坂本 徹也

聞けば、建て主さんは、ここで生まれ育った生粋の中野っ子。まわりは小学校からの同級生たちばかりとか。ある意味、外からの視線を感じずにはいられないほどの解放感も、そんな環境なればこそというわけだったのです。
「もうすぐ出来上がるんだけど、リビングに大きなキャスター付きの丸テーブルが来るんです。でも、それはあまり存在感がありすぎるものじゃなくて、けっこう自由に移動できて、きょうはこちらで朝食を食べようかというふうに気分で空間移動ができるようなものにしたい。


また2人の子ども部屋も、いまはただの一個の空間だけど、今後大きくなってきて境界が必要になればそれもつくれるようにフリーなスペースにしてある。そんなふうに家族とともに成長、変化する家づくりをめざしてます」
とは小林さんの弁。なるほど、これは一つの箱であって、住み手がいろんな知恵を絞って育てていけばよいというわけですね。その意味では、あまり完成形に近づきすぎない方がゆとりというか“遊び”があっていいのかもしれません。この家を見て、ふっと「建築から自由な家」という言葉がアタマに残りました。


小林真人建築アトリエ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~mahito/

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