コントロール液

コントロール液。血糖測定器とセンサーが正常に機能し、測定が正しく行われている事を確認します。各機種に専用のものがあります。

日本で選べる血糖測定器は20種類ぐらいですが、米国では少なくても70機種は市場にあります。韓国や台湾、中国のメーカーも参入するでしょうから、ますますの激戦区です。こうなると私たちが大好きな測定器の「正確度のランキング」が欲しくなりますが、なぜかありません。

簡易血糖測定器のISO基準は「血糖測定器を新しい機種に交換する目安は?」で説明したとおり、測定値の95%以上が、標準値に対して75mg/dl未満では±15mg以内に、75mg/dl以上では±20%以内に収まることが要求されます。

これに対し、米国糖尿病協会(以下ADA)は1996年に全血糖域で全誤差を5%未満にして、これを100%達成できるようにするという高いハードルを掲げました。このADAの目標はとても無理だという意見と、いや、少数の機種はクリアしているという意見とがありますが、具体的な内容は分かりません。

ハードウェアだけの測定誤差ならば、現在の大部分の機器でも10%以内に収めることは経験的に可能だとする専門家(米国)の意見もあります。病院の血液検査のたびに自分の測定器を持参して、下記の式で確認する習慣をつけましょう。

血糖測定器の誤差(%)=(血糖測定器の数値-検査装置の数値)÷検査装置の数値×100

血糖測定器の性能をどう比べるか

世界各国の糖尿病協会は、糖尿病患者やその家族を医療プロバイダーや一般市民が協力しながら互いに支え合うボランティア組織ですから、医療機器を検査・分析するような施設も経験もありません。

そこで、米国では第三者機関が血糖測定器をテストして、より厳しい基準を定めて性能をアップさせようという提案がかねてからありました。実は、各検査施設でばらばらだったヘモグロビンA1cの測定値を統一するために、NGSPというグループを立ち上げて見事に成功した事例が過去にあったのです。

それから20年以上たった4月から、日本でもA1Cの表示が国際的に広く使用されているNGSP値に変更されたことは皆さんもよくご存知でしょう。そのNGSPが定めた基準に遅ればせながら日本も合わせたわけです。

しかし、A1Cは検査施設間の調整ですから危険はありませんでしたが、家庭用の簡易血糖測定器がすでに患者の血糖をモニターするだけでなく、世界中の病院内で利用されている現在では、やはり安全のために公的な許認可機関が管理を担当するべきなのでしょう。

ところで、血糖自己測定とはSMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose)の訳なのですが、SMBGのMは測定(Measurement)ではなく、モニター(監視)であることにご注意ください。血糖検査が医療プロバイダーから家庭に移り始めたのは1980年代ですが、その10年以上前から血中のブドウ糖の量を酵素を使って血液の色の変化で捉えることが出来るようになっていました。当初は1kgもある大きな装置で難しい技量が必要でした。もちろん、血糖がどの程度高いか低いかというモニターで、血糖値の直接的な測定ではありません。

劇的な変化が起ったのは1980年代後半から90年代にかけてで、ブドウ糖の量を電気量に換算できるようになってからです。より速く、より正確になりました。

現在の私たちは、血糖自己監視(monitoring)ではなく、血糖自己測定(measurement)をしています。だから「正確度」のランキングがあれば、ぜひ知りたいのです。

正確度と精確度

権威ある機関での血糖測定器の等級評価はありませんが、何でも格付けする米国のコンスーマー・リポーツ誌が2011年11月号で血糖測定器17機種の格付けを行っています。それによると、ニプロのTrueresultや日本でも使われているAccu-Chek(アキュチェック)など8機種を正確度で"exellent"に、6機種を"very good"、3機種を"good"に評価しています。ただ、問題なのは誰がどのような方法で分析・評価を行ったのかが一切明らかにされていないことです。だから、あくまでも参考意見にしかなりませんが。

同誌は2001年頃から簡易血糖測定器の格付けを数回行っていますが、興味あるのは精確度(consistency)を正確度(accuracy)より重視していることです。

精確度はプレシジョン(precision)と言ったほうが分かりやすいでしょうが、これは同一条件下で繰り返し測定した場合、一つの測定方法が同一の結果を示す範囲のことで、信頼度(reliability)とも言えます。

アボットジャパンからその名もずばり、「プレシジョン」という名の血糖測定器が出てますが、大いに自信があるのでしょう。

センサー(試験紙)の取扱説明書にこの精確度も出ていますが、数字の羅列で意味不明なので自分でもちょっと気合い(!?)を入れれば調べられます。血糖値が安定して正常範囲にある時に、同じ指先から立て続けに5連続で同じ穿刺孔、あるいはその近くから採血・測定すれば見当がつきます。5回の平均値から、高値と低値が5%以上はみ出ていたら、あなたの測定器の「精確度」を疑っていいでしょう。

正確度(アキュラシー accuracy)というのは、測定される量の真価に対して測定値がどのくらい近似しているかを示します。私たちは病院の検査値を基準にすることしか出来ませんが、その許容度を示したのが文頭で説明したISO基準です。

この正確度に影響するのは、血糖測定器の性能と共に外部因子が驚くほどあります。次回はその解説をしましょう。

なお、私たちが各メーカーの血糖測定器の性能を比較検討できない理由の一つは、各メーカーがそれぞれ独自の方法で正確度を表しているからです。あるメーカーの回帰直線を他のメーカーの回帰直線と比較することは出来ませんし、回帰直線を他のメーカーの誤差表と比べることも出来ません。つまり、現在は比較する手段がないのです。

FDAは正確度についても各メーカーに、利用者が理解しやすい表現で、同じフォーマットを採るように要望しています。期待しましょう。

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