8カ月でマッチング拠出1000社突破

2012年1月から、日本版401kこと確定拠出年金において規制緩和されたマッチング拠出ですが、先日の報道によれば1000社突破に至ったようです。厚生労働省のHPでは7月末で1121社と情報開示されています。

マッチング拠出とは、会社が実施する企業型の確定拠出年金に対して、任意で社員も追加入金できるようにするものです。社員が自ら入金したお金は所得税・住民税が非課税となるほか(この段階で20%くらい引かれずにすむ!)、運用利益に対する課税についても非課税(原則20%の課税がなくなる!)になるため、老後のために有利にお金が貯められる制度です。

しかし、マッチング拠出を利用可能とするかは、会社側の判断によるため、積極的な採用に結びつくかが心配されていました。ところが、ふたを開けてみると好調な出だしになったというわけです。

現在、マッチング拠出の導入説明会を実施中で、秋以降あるいは来年春以降スタートを予定している会社も多く、採用企業数は今後も増えるものと思われます。また、統計的裏付けはありませんが、中小企業を多く顧客に抱えている損害保険会社等が積極的にマッチング拠出の導入提案を行ったといわれており、中小企業に利用が進む可能性もあります。

さて、こうしたニュースを踏まえ、「あなたが会社の人事担当(確定拠出年金担当)」であった場合と、「あなたが確定拠出年金を採用した会社の社員」であった場合に分けて、マッチング拠出をどう考えるかまとめてみます。

あなたが会社の人事担当だったらマッチング拠出をどうするべきか

もし、あなたが確定拠出年金を実施している(あるいはこれから実施する予定)の企業担当者であった場合、このニュースをどう考えればいいでしょうか。

「マッチング拠出を自社で採用するかは自社で決められる」
「マッチング拠出は社員にメリットがある」
「多くの企業がマッチング拠出採用に踏み切っている」
というわけですから、積極的にマッチング拠出の検討をしてみるべきでしょうか。

しかし、会社の人事担当者であったら、少し検討してみることがあります。それは、「制度運営コスト」です。社員に喜んでもらえる制度であっても、コストが割に合わないようであれば採用の是非を検討すべきです。

マッチング拠出に関連するコスト(事務的な負担も含む)をざっとあげてみると
  ・業務の委託先(運営管理機関)に払うコスト
・事務処理コスト(説明会、利用申込受付、掛金チェック、掛金変更・停止受付、天引き、給与明細への記載、年末調整)

  ・給与計算システムの改修コスト
などがあります。

このうち委託先に払うコストについてはマッチング利用の有無にかかわらず据え置きの傾向のようですから、気にする必要はありません(すでに導入済みの確定拠出年金の委託費用のままですむ。詳しくは各社で要確認のこと)。

また給与計算システムについては、改修をすると多額の費用がかかりがちですが、現状はそのままにして、マッチング拠出を利用した社員の税金軽減分について年末調整で対応するという方法もあります

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