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『スタッキング可能』松田青子インタビュー(7ページ目)

「さいしょの1冊」をテーマに話題の本の話を聞きます。第1回のゲストは、松田青子さん。初めての単行本『スタッキング可能』について語っていただきました!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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キャラクターの箱からこぼれ落ちるもの


――「マーガレットは植える」から、そこまでイメージが広がっていくのがすごい。やっぱり、言葉で冒険している感じです。

松田 「もうすぐ結婚する女」も、〈もうすぐ結婚する女を見に行った〉という一行が急に頭に浮かんで、そこから始めたんです。「もうすぐ結婚する女」がたくさんこの世界にいて、「私」と人生のいろんなタイミングで出会うというイメージで書いていきました。そして「私」とは誰なのかという問いと。
『スタッキング可能』と一緒で、人という存在はひとりであって全体であり、全体でありながらもひとりである。「もうすぐ結婚する女」もひとりであって全体であってだけどやっぱりひとりだという。みんな同じくしているところと、どうしたってちがうところがある、みたいな発想です。

――わたしは全体的に読んでいて、アンチ「キャラクター小説」っぽいところがあるなと思ったんですよ。

松田 ああ~。特別意識していたわけではありませんけど、結果的にそういう作品が集まってしまったかもしれません。わたしは人の目の前に、簡単にかたちを決められる便利な箱が並んでいるイメージがあって。「はいはいこの人はオタク」「はいはいこの人は天然ね」という感じで、いったん箱に入れたら「もうこれでいいです!」みたいになってしまう。そんな簡単なわけがないのに。だからこの本では、キャラクターを逆にはっきりさせたくなかったというのはあります。

――はっきりしないのがほんとうなんだけど、キャラクターって便利なので、実生活でもつい使ってしまうんですよね。

松田 キャラクターを決めたときに、こぼれ落ちるものがいっぱいある気がして。固定観念をちょっとずつこそげ落としたいという気持ちもあって、こういう感じになりました。

――次はどんな作品を書かれる予定でしょうか。

松田 日本の英語教育の宗教性について書こうとしています。いろんな方法を考えていて、自分でもどんなものができあがるのか、まだわかりません(笑)。

松田青子

「早稲田文学」のフリーペーパー「WB」vol.27_2013_winter に松田青子さんの「写真はイメージです」が掲載されています。詳細はhttp://www.bungaku.net/wasebun/をどうぞ!

 



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